来週の金融市場見通し(2020年4月27日~2020年5月8日)

2020/04/24

■来週の見通し

ムニューシン米財務長官が、「米経済は夏の終わりまでには大部分は再開できるだろう」と述べるなど、経済再開への期待は根強いものの、経済活動を迅速に安全に再開できるかは予断を許さない状況です。治療薬などの開発は、期待された米薬品メーカーの抗ウイルス治験薬が臨床試験に失敗したと報じられるなど、まだ不透明な状況です。他方、国内では緊急事態宣言が延長されるかどうかが注目されます。引き続き、新型コロナウイルスの感染動向や各国の対応などを確認しながら、方向感を探ることになりそうです。

◆株価 :軟調な展開か

日本株は、軟調な展開が予想されます。新型コロナ問題に伴う世界景気の後退観測などが、内外の株価を圧迫する見通しです。欧米では経済活動の段階的再開が検討されているものの、経済の正常化には長期間を要する見込みです。また、日本では緊急事態宣言の期限が5月6日となっていますが、期間延長の可能性も十分あります。そうした先行き不透明感が強い中では投資家もリスクを取りにくく、日本株の下落場面が増えそうです。

◆長期金利 :マイナス圏で居所を探る

長期金利は、国債増発への警戒から一旦上昇も、経済の急速な悪化を受け、日銀が追加の金融緩和策を打ち出すと報じられたことから、低下する動きになりました。国債を制限なく買えるようにするほか、社債などの購入限度額を倍増することなどが検討されている模様です。他方、米連邦準備制度理事会(FRB)も長期金利の水準を抑える政策を導入するとの観測も出ています。内外の金融政策を確認しながら、居所を探ることになりそうです。

◆為替 : レンジ内で神経質な動き

足元、原油価格が急落するなど波乱が続いていますが、欧米の一部で新型コロナの感染拡大がピークアウトしたとの見方が台頭し、また、トランプ米政権が段階的な経済再開指針を示していることなどから市場はややリスク選好に傾いています。米長期金利の動きから中長期的にはドル円は下落基調にあると考えていますが、現状、ドル、円ともに安全通貨として機能していることから、綱引き状態にあり、当面神経質な動きが継続しそうです。

◆Jリート :不安定ながらも底堅い

東証REIT指数は1,550ポイントを挟んだ一進一退の動きが継続しています。新型コロナの感染拡大で国内景気の下振れが警戒される中、賃料の伸び悩みなどは懸念材料ですが、各国が新型コロナの感染拡大防止に向けた措置や経済対策を打ち出していることは安心材料です。内外の中央銀行が一段と緩和姿勢を強め、金利上昇が抑制される中、相対的に高い予想分配金利回りに着目した買いなどから、不安定ながらも底堅い動きが続きそうです。

来週の注目点

鉱工業生産指数(3月、速報値) 4月30日(木)午前8時50分発表 

鉱工業生産指数は2月に前月比0.3%低下し、99.5(2015年=100)となりました。業種別では、自動車工業などが低下したものの、新型コロナウイルスの世界的感染が本格化する前の調査だったことから、全体の指数は小幅な低下にとどまりました。

3月の鉱工業生産指数は、大幅に低下する見込みです。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い欧米などで経済活動が厳しく制限される中、日本からの輸出なども甚大な打撃を受けています。4月には日本でも緊急事態宣言が出され、これに伴う景気悪化も見込まれます。そのため鉱工業生産指数は、当分の間、低下基調となる見通しです。

米個人消費支出(3月) 4月30日(木)午後9時30分発表

2月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.2%増と前月並みとなり、また、PCE価格指数は総合で前年比1.8%上昇と市場予想を上回りました。新型コロナウイルス感染拡大の影響が広く波及する前までは、個人消費は安定的に推移していたことが示唆されました。

これまで個人消費は米国経済をけん引してきましたが、同ウイルス感染の急拡大により外出規制が敷かれるなど、経済活動が停滞していることから、今後大きく減速するとみられます。3月の個人消費支出は前月比4.2%程度の大幅減を想定しています。

米雇用統計(4月) 5月8日(金)午後9時30分発表

3月の米雇用統計において、非農業部門就業者数は前月比70万1,000人減と市場予想を大きく下回り、2010年以来初めての雇用減となりました。また、失業率は前月の3.5%から4.4%へ急上昇しました。一方、今後のインフレ動向を占う上で重要な平均時給は前年比3.1%上昇と堅調な結果となりました。

同統計は毎月12日を含む週までが調査対象期間となっていますが、急激な新型コロナウイルスの感染拡大が3月初旬においてすでに米国の雇用市場に大きな影響を与えていたことが示されました。今後は雇用状況の更なる悪化が想定され、失業率は2、3か月のうちに10%台になるとの見方が出ています。今後のすう勢に要注意です。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=10

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