来週の金融市場見通し(2019年12月2日~2019年12月6日)

2019/11/29

■来週の見通し

トランプ米大統領は27日、香港での人権尊重や民主主義を支援する「香港人権・民主主義法」に署名し、法案が成立しました。声明で「全ての人々の長期的な平和と繁栄につながるよう期待する」と中国への配慮を示しましたが、中国は報復措置を辞さないとしています。両国ともに、貿易合意を目指すとみられますが、楽観ムードに水を差した格好です。来週も米中にらみですが、7-9月期の法人企業統計調査、米サプライマネジメント協会(ISM)製造業・非製造業景況指数、米雇用統計なども確認したいところです。

◆株価 :緩やかな上昇を予想

日本株は、緩やかな上昇が予想されます。米中貿易協議では米中とも部分合意を望んでおり、それに対する期待が株価を支える見通しです。また、米国の年末商戦は好調が見込まれるほか、ユーロ圏の景気懸念も後退しています。日本については、消費税増税による景気減速は一時的との見方が優勢です。これらを受け株高基調が予想されますが、米中貿易協議が実際に合意に至るまで、日経平均株価は2万3千円台を中心に推移する見通しです。

◆長期金利 : 居所を探る

米中貿易協議や香港情勢をめぐる不透明感は金利低下要因も、米長期金利がもみ合う中、国内の長期金利もマイナス0.10%を挟んだ方向感のない動きが続いています。40年国債入札は好調、2年国債入札は低調とまちまち。前田日銀理事が超長期金利の過度な低下の悪影響を念頭に置くと発言するなど、長めの金利は低下しにくい状況です。引き続き、米中の動向や日銀の国債買入れオペなどを確認しながら、居所を探る展開になりそうです。

◆為替 : 円安地合いも動きは鈍そう

米中貿易協議において、両国は第1段階の合意に近づいているとの見方が強いものの、合意には達しておらず、依然12月15日の対中追加関税の見送りも確定していません。また、トランプ米大統領が香港人権法案に署名したことから米中関係に若干の懸念が生じています。来週もドル円は基本的には底堅いながら、米中関連のヘッドラインに振らされそうです。米長期金利は方向感を失っており、ドル円を大きく動かす状況ではありません。

◆Jリート :2,200ポイント台での値固め

東証REIT指数は、2,200ポイント台を回復して以降は、一進一退の動きが続いています。2,200ポイント割れでは押し目買いが広がる一方、前回2,250ポイントを超えた水準でスピード調整が入っただけに、この水準に近づくと利益確定売りが強まりそうです。長期金利がマイナス圏で推移する中、3.4%台と相対的に高い水準の分配金利回りは魅力ながら、しばらくは2,200ポイント台での値固めになりそうです。

来週の注目点

家計調査(10月) 12月6日(金)午前8時30分発表 

家計調査によると、実質消費支出(二人以上の世帯)は9月に前年比9.5%増と、比較可能な2001年以降、最大の伸びとなりました。特に9月終盤、消費税増税前の駆け込み需要が、耐久消費財を中心に大きく増えました。

10月の実質消費支出については、前年比で大幅な減少が見込まれます。駆け込み需要の反動が見込まれるほか、大型台風による影響も消費を圧迫したと考えられます。ただ、増税の影響を見極めるには、11月以降の消費動向も確認する必要があります。

米雇用統計(11月) 12月6日(金)午後10時30分発表

10月の米雇用統計において、非農業部門就業者数は前月比12万8,000人増と市場予想を上回り、今後のインフレ動向を占う上で重要な平均時給は前年比3.0%上昇と堅調な伸びとなりました。また、失業率は3.6%と前月よりは上昇したものの、1969年以来の低水準が継続しています。

低調な設備投資や米中の貿易をめぐる緊張にも関わらず、労働市場は非常にしっかりしており、今後も個人消費が米景気をけん引しそうです。また、11月の非農業部門就業者数は前月比19万人程度の増加、平均時給は前年比3.0%程度の上昇と強めの想定をしています。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

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