来週の金融市場見通し(2019年5月20日~2019年5月24日)
■来週の見通し
中国が約600億ドル相当の米国製品への関税引き上げ措置を表明するなど、米中で報復関税の応酬が続く中、米政府の中国華為技術(ファーウェイ)との取引を事実上禁止する措置の発表を受け、中国政府の態度が一段と硬化する懸念が出てきました。来週は、国内の1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値が発表されます。2期ぶりのマイナス成長になった場合には、消費増税先送りとの見方が広がる可能性があります。
◆株価 : 底堅い推移を予想
日本株は、慎重姿勢を残しつつも、底堅く推移すると予想されます。米中貿易摩擦の行方は楽観できないものの、協議は続くとみられる上、米中による関税の応酬が直ちに世界経済の成長率を大きく押し下げる可能性は低いと考えられます。また、20日に発表される日本の1-3月期国内総生産(GDP)はマイナス成長の可能性もありますが、その場合は消費税増税の延期期待が広がるとみられるため、株価への影響は限定的と見込まれます。
◆長期金利 : 低位もみ合い
米中の報復関税の応酬や、華為技術との取引を事実上禁止する措置を受け、安全資産とされる国債を買う動きが優勢になり、長期金利は一時マイナス0.065%まで低下しました。もっとも、米中貿易摩擦激化への警戒から長期金利には低下圧力が掛かるものの、日銀が国債買入れオペを減額し、金利低下を抑制することへの警戒もあり、一段の低下は限定的とみられます。日銀の国債買入れオペなどを確認しながら、居所を探ることになりそうです。
◆為替 : 調整局面か
米中貿易協議が暗礁に乗り上げ、米国は中国からの輸入2000億ドル分について追加関税を発動しました。両国の協議は継続とはされているものの、世界景気への影響懸念から米長期金利は低下しており、リスク回避の円買いと相まって引き続きドル円の上値は重いと思われます。しかし市場は一旦落ち着きを見せていることから、来週は日米株価の動きを見ながらレンジ内での展開が予想されます。米中貿易関連の続報にも注意が必要です。
◆Jリート : 利益確定売りに押される場面も
東証REIT指数は、前週末から6営業日続伸。米中貿易摩擦激化への警戒などから長期金利が低位で推移する中、相対的に高い分配金利回りに着目した買いに加え、貿易摩擦の影響を受けにくいとの見方から買いが優勢になり、週末には一時1,933ポイントまで上昇しました。来週は、利益確定売りに押される場面もありそうですが、東証REIT指数の予想分配金利回りは3.9%弱と依然として高い水準にあり、底堅い動きが見込まれます。
■来週の注目点
GDP統計(19/1-3月期、1次速報) 5月20日(月)午前8時50分発表
日本の実質国内総生産(GDP)は、昨年10-12月期に前期比0.5%増(年率1.9%増)と、景気の緩やかな回復が確認されました。しかし今年1-3月期は、前期比0%(横ばい)程度への減速が見込まれます。
特に、中国向け輸出の減少などを背景に、昨年の景気回復を主導した設備投資の失速が示される見込みです。個人消費の伸び悩みも踏まえると、1-3月期GDPはマイナス成長となる可能性も否定できません。大幅なマイナスとなった場合、10月に予定されている消費税増税の延期を求める声が増えそうです。
米耐久財受注(4月) 5月24日(金)午後9時30分発表
3月の米耐久財受注は、前月比2.6%増と市場予想を上回り、昨年8月以来の大きな伸びとなりました。また、設備投資の先行指標となる航空機など輸送機器を除く非国防資本財(コア資本財)は同0.3%増と予想を若干上回り、昨年12月以来のプラスとなりました。
しかし、同指標は振れ幅が大きく、4月は民間軍用双方の航空機需要の伸びが望めず、総合では再び前月比若干のマイナスを想定しています。一方、企業の設備投資がやや回復の兆しを見せていることから、コア資本財の伸びは底堅く、前月比0.3%増程度を想定しています。
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