「日経平均17,000円」の壁
今週の日経平均は16,900円台に乗せる場面も見られ、順調に値を戻しています。注目だった先週末のジャクソンホールでのイエレン米FRB議長講演というイベントを通過し、米利上げ観測が高まったことが大きな背景のひとつになっています。
実際の講演では、「ここ数カ月で利上げの可能性が強化された」というタカ派っぽい発言はあったものの、「利上げの実施は経済データ次第」であることなど、全体の主旨自体は概ねこれまでと変わらない姿勢だったと言えます。そのため、足元の円安進行と株高は、利上げを積極的に織り込むというよりは、大勢を占めていた「9月は利上げ見送り」シナリオがやや後退したことによるポジション巻き戻しと捉えた方が良いかもしれません。
したがって、今後の利上げ観測の動向は今週末の米雇用統計などの経済指標に引き継がれ、9月20日~21日のFOMCを迎えることになります。日経平均の方向感がなくなったり、上値が重たくなったりすると、先週まではジャクソンホール待ち、今週は米雇用統計待ちという理由付けがされやすい構図です。これに、9月のFOMCと時を同じくして開催される日銀金融政策決定会合への思惑も材料に加わってきます。
確かに、足元の日経平均は、8月高値(16,943円)や7月高値(16,938円)とほぼ同じ水準です。チャート的には、上値が「17,000円の壁」に阻まれている一方、下値は順調に切り上がっていて、いわゆる「三角保ち合い」の格好になっています。保ち合いから抜けた方向にトレンドが発生しやすいと言われているため、来週以降に一段高を見せる可能性は十分にあります。
とはいえ、2016年の日経平均は17,000円を超えている場面が少なく、株価上昇の継続性に不安があるのも事実です。また、2016年以降の日経平均の動いた軌跡を辿ると、トリプルボトムで底打ちしたものの、上昇が途絶えた後、三角保ち合いを形成して持ち直すも下抜け、続いて右肩下がりのレンジ相場が続き、英国民投票後の下振れと反発を経験し、現在の三角保ち合いを形成という流れになっています。
つまり、底打ちは確認できたものの、その後は本格上昇の機会を逃してきたわけですが、足元の三角保ち合いの上抜けによる上昇が三度目の正直になれるか期待したいところです。
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