「適温相場」で取れるリスク
今週の株式市場も日経平均は16,000円台後半での比較的堅調な推移が続いています。
国内企業の決算発表が一巡し、過度な業績懸念が後退したことや、日銀のETF買いによるサポート観測で下値をトライしにくくなったこと、また、週初に国内4-6月期GDPが公表されましたが、横ばいの景況感で必ずしも先行きの楽観を示すものではなかったものの、経済政策期待がバランスをとっていること、外部環境に目を向けても、米国株が最高値圏で推移していることなどを背景に、市場では「適温相場」が指摘されたりしています。足元の相場環境を、リスク・オフかリスク・オンかの二択で問われれば、リスク・オンであると言えます。
ここ数年の傾向を見ると、リスク・オンの局面では「株高・円安」になっていたのですが、足元では「株高・円高」の状況です。特に、米ドル/円については、1ドルが100円割れとなる99円台をつける場面が増えており、円高傾向が目立っています。前回、100円割れとなったのは、英国が国民投票でEU離脱という判断を下した直後の6月24日だったのですが、この日の日経平均の終値は14,952円でした。この時は、株式市場も為替市場もリスク・オフムードに包まれ、「株安・円高」が進行しました。
その後は先程も指摘した通り、徐々にリスク・オンに向かうことになるのですが、株式市場は日経平均が1,500円を超える上昇を見せたのに対し、為替市場は結果的にあまり水準が変わっておらず、リスク・オンに対する温度差が出ているような印象です。もっとも、米国の利上げ観測や日銀の金融政策への見極めが9月の会合まで持ち越されている中、思惑で動かされやすいこともあり、為替については「適温相場」にどっぷり浸かれないのかもしれません。
そのため、順調に値を戻してきた株式市場に為替市場が合わせていくのか、それとも、慎重な為替市場に株式市場が合わせるのか、「株高・円高」の温度差がどのように埋まっていくのかが注目されそうです。また、株式市場についても、足元の適温相場は、リスク回避後退による買戻しが入っているものの、リスクを積極的に取りに行く段階までには至っていないと考えられます。
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