決算で相場の流れが変わるか?
今週の国内株市場ですが、値動きの荒い推移が目立っています。日経平均の動きを辿ると、23日(月)は31,000円台割れの下落スタート、翌24日(火)は大幅下落から急速に切り返して上昇で終え、25日(水)も続伸し、目先の下げ止まりが意識されたかと思えば、続く26日(木)はいわゆる「窓」空けで再び大きく下落して取引が始まるなど、落ち着きのない印象となっています。
足元の株式市場を取り巻く環境については、不透明な中東情勢をはじめ、中国の大手不動産企業の碧桂園が外貨建て債務の利払いができずにデフォルト認定され、その影響が警戒されるなど、不透明感が続く中で日米の企業決算の動向をにらみながらの展開となっています。
とりわけ、中国については、不動産関連がGDP寄与の約3割となっていることもあり、今回の碧桂園のデフォルト認定が、他の不動産企業の債務問題に拡大してしまうと、中国経済全体に影響してしまう可能性が高まってしまうため、注意が必要です。
実際に、国内の企業決算については、これまでのところは比較的堅調なものが多いと言えますが、先日決算を発表した安川電機、今週決算を発表したニデック(旧日本電産)などからは、決算時の記者会見で中国経済への警戒感に対して言及があったほか、中国・香港・台湾などを含む「グレーターチャイナ」での売上比率が40%を超えるファースト・リテイリングからも、中長期の経営課題として、中国依存の脱却と欧米市場でのブランド力向上を示唆するなど、先行きの中国絡みに慎重な姿勢が出てきています。
一方、米国でも企業決算が相次いでいますが、今週はアルファベットやマイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾンなどの「GAFAM」企業の多くが決算を発表する予定です。24日(火)に先行して決算を発表したのが、アルファベットとマイクロソフトですが、純利益がそれぞれ前年同期比で42%増、27%増と、出てきた数字はかなり好調でした。
ただし、株価については、アルファベットが下落、マイクロソフトが上昇といった具合に、市場の初期反応はまちまちとなりました。共に広告事業などの復調が増益に寄与しましたが、クラウド事業の成長性が株価の明暗を分けた格好です。
また、最近の米国株市場は米長期金利の上昇に相対的に弱いとされるNASDAQ市場が、金利上昇局面でも株価が上がる場面がちらほらと見え始めているほか、さらに、話を日本株に戻しても、決算を発表した企業が為替の円安で増益となった場合でも、株価があまり上がらないケースも増えており、金利や為替といった環境面の追い風以外に、企業の成長力の手掛かりが感じられる銘柄が買われやすくなっていると思われます。
逆を言えば、それだけ外部環境が不透明になっていることの表れとも言えます。そのため、環境の変化によって目先の株価上昇は短期的にとどまる可能性があり、中長期的には買い場をじっくり探る状況であることに変わりはなさそうです。
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