株式市場の「復調」が試されるのはこれから
2月相場入りとなった今週の株式市場ですが、日経平均は先週末からの流れを受け継ぎ、戻りをうかがう展開が目立っています。2日(水)の取引終了時点で4日続伸となり、その間の上昇幅は1,300円を超えています。
先月(1月)に見せた急落の反動によるところも大きいですが、米国の金融政策の正常化ペースの加速に対する警戒については、いったん先取りして織り込んだという見方や、米アップルの決算皮切りに、アルファベット(グーグル)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの内容の良かった企業業績に反応する動きが追い風となっています。国内企業でも、TDKやキーエンスをはじめ、幅広い銘柄が決算を手掛かりに部色される動きが出ています。また、年初からの株安に伴い、資産配分の割合を保つために年金基金などが先月末にかけて株を買っていたという需給要因も寄与しているという見方もあります。
米株市場では、「デッド・キャット・バウンス(死んだ猫でも高いところから落ちれば大きく弾む)」という相場格言がありますが、実際に米国の主要3指数(NYダウ・S&P500・NASDAQ)が揃って急反発しています。
また、テクニカル分析的には、国内外の株価指数や個別銘柄の多くの株価が、移動平均線(25日・50日・75日・200日など)を大きく下回った位置から反発しており、この移動平均線を突破して上昇に弾みがつくのか、それとも跳ね返されて再び下落に差し掛かるのかを見極める段階に差し掛かっています。つまり、ここまでの株価反発は想定内で、株式市場の「復調」が試されるのはこれからになります。
米国の急ピッチな金融政策の正常化ペースによる「オーバーキル(過度な引き締めが与える悪影響)」に対する懸念は引き続き燻っているほか、本格的な下落相場の初期段階では、株価が大きく反発して「やっぱり相場は強気」と感じさせる場面が良く現れます。さらに、北京冬季五輪が開幕する中国では、ロックダウンや移動制限などの「ゼロコロナ」政策を展開しているため、1-3月期の景気が減速する可能性があります。3月に開催される全人代(全国人民代表大会)を控え、経済政策とともに注目されて材料視される状況には注意が必要です。
そのため、銘柄の選別は進むものの、しばらくは景況感や企業業績を手掛かりに買いを入れやすい相場地合いが強まっていくと考えられます。ただ、不安材料への警戒感がなかなか解けず、株式市場は上げ下げを繰り返す展開になるかもしれません。
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