マーケットは昨年来高値を目指す展開に
梅雨の季節の真っただ中。本格的暑さが来る前の静けさといおうか、やけに涼し気で過ごしやすい日もあるのが救われる。あと2週間もすれば東京も梅雨明けとなり、いよいよ熱風の真夏に突入である。マーケットも静かながらもじりじりと活況を取り戻す動きとなっている。
さて、まずは5月のモデルポートフォリオのご報告から。5月のマーケットは日米市場とも上昇の展開となった。
米国市場は4ヵ月連続上昇となり過去最高値を更新。4月の雇用統計が+28.8万人と予想の+21万人を大きく上回ったものの、ウクライナ情勢の悪化に加えて鉱工業生産指数や住宅市場指数が予想を下回ったことから5月上旬は利益確定売りの展開に。また米長期国債金利が2.5%割れとなったことも重荷に。しかしながら、FRBのゼロ金利政策長期化の見通しや5月の中国PMIの改善に支えられて、NYダウおよびS&Pともに過去最高値を更新する展開となった。5月末におけるダウは16717ドルと前月より136ドル上昇し月間騰落率は+0.8%。ナスダックは4242ドルとなり128ドル上昇の+3.1%となった。
日本市場は今年初の上昇。ウクライナ情勢の悪化や米長期国債の利回り低下で為替が100.80円レベルの円高まで進み、日経平均は一時14000円割れと年初来安値を更新した。その後は堅調な米国市場や中国PMIの改善にて買戻しが徐々に起こり、投資家心理が改善した。売買代金は5/30にようやく2兆円超えのレベルにまで回復。5月の日経平均は14632円で取引を終え、4月末の14304円から328円上昇し月間騰落率は+2.3%。また、Topixは+3.4%上昇した。一方、小型株市場はジャスダック平均が+2.8%、マザーズ指数は+11.4%となり4月に急落していたマザーズが盛り返した。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」の5月のパフォーマンスは+3.6%となり、年初来は-10.5%(4月末-13.7%)、累計では+114.5%(4月末+107.1%)と盛り返した。保有株式のウェートは4月末の68%から74%へ上昇。ヘッジ戦略をおこなっていないため、ネットロング比率は74%となった。
6月のマーケットも順調に上昇を続けている。6/20の第3週が終わった時点で1年ぶりの5週続伸を記録。モデルポートフォリオも6月累計が+8.1%の上昇となっている。5月に続いて今年初めての2ヵ月連続上昇となる可能性が高まってきた。加えて先週から新興市場から大型株へ活況がシフトする兆候が見られ、単なる投機マネー相場から本格的相場への兆候が確認された。大型株市場はボラティリティが低下し、継続的な上昇トレンドを形成しやすい値動きをしているのが大いに評価できる。
一方、日本市場がもう一段上昇するための条件となる円安はなかなか見られない状況にある。だが、米国経済の復調ならびにFRBによる資産買い入れ額の減額による静かな緩和策是正が着実に進んでいるため、米国債金利の上昇は間近に迫ってきているものと思われる。
日経平均は昨年末高値の16291円に対してあと約900円のところまで迫ってきた。政府による骨太の方針、GPIFの株式投資比率の引き上げはほぼ織り込まれてきているが、ここからは7月下旬から始まる第1四半期決算発表やNISAの動き、世界経済、そして外国人投資家の動向がポイントとなる。マーケットは昨年来高値を目指す展開が続く可能性が高く、運用資産の積み上げをしっかりとおこなっていきたいところだ。
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