まだ慎重なスタンスを継続

日本にもついに緊急事態宣言が出されて早3週間が経とうとしている。PCR検査数が少なく、大半の無自覚感染者を全くとらえきれていないため、市中感染の実態が分からない。こうした中、経済活動が大きく制約されている。5月6日の期限以降も延長される可能性が高まっているが、やはり大事なのは市中感染の実態をできるだけ正確に掴むことだと思う。さもなければ、何をもって「安全宣言」をしていいのかの根拠がないし、根拠がない中で緩和に踏み切れば第2波のリスクは高い。さて遅くなったが、3月のポートフォリオの状況と4月の近況について記したい。

3月のマーケットは2月に続き日米市場ともに急落する展開となった。

米国市場は大幅に3ヶ月続落。2月の雇用統計は予想の+17万人に対して+27.3万人と大きく上回り失業率は3.5%と歴史的低水準を維持。しかし、WHOがパンデミック宣言をおこない、米国が欧州からの1ヶ月の入国拒否を決定したため景気後退懸念が高まりマーケットは急落。FRBは0.50%の緊急金利引き下げに続き、緊急会合で1.0%引き下げ政策金利を0.00~0.25%としたものの、3/16のNYダウは2997ドル安と史上最大の下げ幅でVIX指数は83を記録し17年2月以来の2万ドル割れに。長期金利は一時0.31%と史上最低を記録。その後は2兆ドルに上る大型経済対策が可決され買い戻しが活発となり、3/24は2112ドル高と過去最大の上げ幅を記録。3月のNYダウは21917ドルと前月より3492ドル下落し月間騰落率は-13.7%。ナスダックは7700となり867ポイント下落の-10.1%となった。

東京市場も大幅に3ヶ月続落。世界的な新型コロナウイルスの感染増大、原油の急落、景気先行き不安、世界市場の急速な下落を受けて売り一色に。日経平均は16年11月以来の17000円割れ。FRBや世界の中央銀行の金融緩和政策を受けて日銀はETFを現在の2倍の年間12兆円購入を決定。月末にかけて各国による経済対策への期待で世界のマーケットが反発ムードとなったため日本株も買い戻しの動きに。為替は先月末の108.90円から一時101円となるものの今月末は108.30円で着地。売買代金は3.6兆円と大商い。3月の日経平均は18917円で取引を終え、2月末の21142円から2225円下落し月間騰落率は-10.5%、Topixは-7.1%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が-10.4%、マザーズ指数は-11.5%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における3月のパフォーマンスは-7.3%となり、年初来-16.9%、累計では+117.7%(2月末+134.9%)と大きく後退。3月末時点のポートフォリオの株式比率は65%で24銘柄を保有(2月末は70%で27銘柄を保有)。株式部分の含み益は+3.7%(2月末は+14.6%)。ただし、65%のうち現物株のウェートは31%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計71%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは46%のロングポジションである。

4月は反発機運が高まる形となっている。新型コロナウイルスの感染拡大は続いているものの、世界的に見ると急速な増加にピークアウト感が出てきたこと、そして欧米の一部において経済活動を徐々に再開する動きが出てきたことの2点が好感されている。日経平均も4/30に久々に2万円台を回復する動きとなっている。

ただし、ここから楽観的に新型コロナが収束に向かうかどうかはまだわからない。第2波への警戒感は強く、もし、より戻しが出てくれば再び大きく下落する局面に舞い戻る。急落&急騰を繰り返す局面においては、さらなる二番底、三番底を探る展開となることが多く、NYダウにおける直近安値の18591ドル、日経平均における16552円がボトムと見るのは時期尚早である。やはり現時点ではまだマーケットへのエントリーには慎重になるのが賢明だ。個別銘柄はまだまだ叩き売られたままだ。ゆっくり動いても遅くはない。

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