もっぱらテクニカル暴落、上昇波の跳躍台に
~ ペンス副大統領の「米中冷戦宣言」が不確実性を高めるが、数週間で霧は晴れる~

2018/10/15

【ストラテジーブレティン(210号)】

テクニカル主因の暴落、米金利上昇、FRB金融政策は大したリスクではない

Q) 10月4日以降、世界同時株安が突然起こりました。米国S&P指数は一週間で8%下落、日本株式も27年ぶりの高値を付けた10月2日をピークに日経平均は9%、TOPIX8%と、ほぼ同率の下落となりました。この一週間の動きは、今年の2月と似ているという声も多いですね。

武者) そうですね、ほとんど相似形だと思う。つまりファンダメンタルズとは全く関係なく、もっぱらテクニカルな要素が相場を著しく押し下げたということ。ただ敢えて2月と違うところは、今回は米中軋轢が深刻化し、単なる貿易摩擦から米中冷戦へとはっきり移行したこと、相場下落が始まった10月4日は後で触れますが、マイク・ペンス米国副大統領が事実上の米中冷戦を宣言したその日です。それが不確実性を高めていると思います。

Q) 2月の時は雇用統計発表後に長期金利が上昇してそれが引き金になったという見方もあったようです。今回もアメリカの金利が上昇してきていますけれども金利と株の関係はどう見ていらっしゃいますか?

武者) その影響を2つに分けて考えなければいけない。第一は、ポートフォリオの変更を引き起こすもので、それは一過性で心配ない。恐らくヘッジファンドは、前提としている金利水準が変われば、彼らのポートフォリオを大きく変更する必要がでてくる。その結果、連鎖的な株売りが出てくるということがあり得る。2月も今回も市場コンセンサスを超えた長期金利の上昇により、ポートフォリオのリバランスが起き、それが売り連鎖の引き金を引いたということはあったと思われる。ただ前回同様、CTAやリスクパリティなどのアルゴリズム取引が売り連鎖の主犯人ではないか。

心配しなければならない第二の影響は、金利上昇が経済に悪影響を与えて景気拡大を失速させる可能性。長期的な下落相場になるかは、単純にヘッジファンドのポジションの問題ではなく、それ自身がアメリカの景気拡大を途絶えさせる可能性があるかどうかの見極めですが、今の時点でそれはほとんど考えられない。よってこの株価の下落は決して大きな潮目の転換ではなくテクニカルな調整に過ぎない、と結論付けられる。

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