衆議院解散 本当の理由
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◆安全保障分野への投資を通じた経済成長
昨年10月の高市自民党総裁誕生以降、株式市場は大幅に上昇しました。世界情勢が大きく変化するなか、政治動向が金融市場に与える影響は一層高まっています。
1月27日、第51回衆議院選挙が公示されました。1,285人が立候補し、465の議席を巡って争います。昨年末時点では、通常国会の日程などから、解散は早くても予算成立(3月)以降とみられていたことから、急展開の動きとなりました。突然の解散について、「予算審議前になぜ?」「大義がない」など様々な意見が出ていましたが、選挙戦での発言などから、解散に至った理由が徐々に明らかになってきました。
公示日当日、高市首相は、日本維新の会(以下、維新)の吉村代表、藤田共同代表とともに、東京・秋葉原の街頭に立ちました。秋葉原は安倍晋三元首相が麻生太郎元首相とともに、国政選挙の最終日に揃って支持を訴えた特別な場所でもあることから、ここでの発言には特に思いがこもっていると言えるでしょう。
演説では、「責任ある積極財政」を掲げ、その肝は「危機管理投資と成長投資」としています。危機管理投資については、食料自給率を上げることなど、日本人が食べるものに困ることのない「食料安全保障」をはじめ、「エネルギー安全保障」、「医療健康安全保障」、「サイバーセキュリティー」、「経済安全保障」を列挙しました。このことからも危機管理投資とは、安全保障分野に投資をして、海外で有事が起こっても日本へのマイナスの影響を小さくすることだと解釈できます。2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻や、中東情勢の悪化、ベネズエラ問題、さらには中国軍が台湾を包囲する形で軍事演習を行うなど、世界中で緊張が高まるなか、これら地政学リスクに備えるためとみられます。また演説では、危機管理投資は日本の成長につながるとし、「いち早く製品サービスインフラをきっちりつくって、海外に展開したらお金が入ってくる」とも述べ、様々な成長分野への投資を促すとしました。このことから、安全保障分野へ積極的に投資を行い、ここで開発された技術を民間でも活かし、日本を稼げる国にしていくということのようです。
◆本当にやりたいことは「維新との合意書」の中に
演説の後半で首相は、維新と連立を組むにあたり作成した「連立政権合意書」に言及しています。この中で、国旗損壊罪を例に「私が14年近く前に書いた法律案も入っている」、また「連立協議、衆議院議員宿舎の中などで」、「(10月の)土日に“自民党総裁、終日議員宿舎で過ごす”と書かれていたあの日々は、議論を続けていた」とも発言しています。つまり、維新との合意書は、維新の主張と自民党の主張をすり合わせたものにとどまらず、首相自身のこれからやりたいことに対する思いが入っていると考えることができます。
ただ、これを実行しようとしても、法案を審議する委員会の委員長を野党が務めており、実現が難しいとみられ、この委員長ポストを与党に戻す必要があるとしています。
この時期での衆議院解散は、高い内閣支持率が背景にあるものの、年末から年始にかけての世界情勢の変化などを受けて、自身の政策遂行の必要性を強く感じたためとみられます。
高市首相の最初の大仕事であった補正予算審議では、野党議員が予算委員長というなかで行われました。この時の経験(苦労)が、解散へと動かした大きな要因の一つだったとも言えそうです。
(チーフストラテジスト 上野 裕之)
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