FM 今週のポイント(3月21日)

2017/03/21 <>

*重要イベントがひしめいた一週間が終わりましたが、日本株の膠着感に変化はありません(当然、暴落するより良いのですが⇒森友学園問題等テールリスク的波乱の芽はあった)。米国長期金利が低下しています。FOMCでは想定通り、25bpの利上げが決定しましたが、今後の利上げペースの加速観測は大きく後退しました。10年債利回りは2.632%まで上昇していましたが、週末は2.504%まで低下しています。これを受けてドル円相場も一時、1ドル112円台まで円高ドル安が進行しています。先週、日本株の一段高を阻害した要因が円高だけに、結果論として悔やまれます(週初は日経平均株価が19,656円まで上昇して2万円大台突破の可能性が有った)。21連騰していたJQ平均株価も反落して小型株物色も転機を迎えようとしています。主力株に膠着感が強い場合の小型株選好は定石ながら、相場全般の先高期待が揺らいだ場合の離散もまた速いことは経験則です。今回はどうでしょうか?⇒森友学園問題、少し先の仏大統領選(ルペン人気が復活の兆し)等のテールリスクを抜きにして、最重要事項はトランプ政策への期待感持続です。先週は注目された予算教書が発表されましたが、期待された減税・インフラ投資の具体案が見えず、マーケットはポジティブ反応を示すことができませんでした(国防省、国家安全保障省の予算は大きく拡大されている)。具体策を示さず、マーケットの期待を繋いできたトランプ大統領ですが、その手法も、そろそろ限界を向かえそうです。週末のニュースで気になった点は米独首脳会談です⇒(トランプ米大統領は17日、ホワイトハウスでドイツのメルケル首相と初めて会談した。会談後の共同記者会見では、テロ対策として移民の入国規制を正当化するトランプ氏に対し、メルケル氏は移民・難民支援の重要性を訴えるなど、立場の違いが浮き彫りとなった。トランプ氏は会見で「移民は特別な待遇であり、権利ではない。米国民の安全が常に最優先されなければならない」と、イスラム諸国からの入国を禁止する大統領令の必要性を指摘。メルケル氏は「欧州連合(EU)の移動の自由は経済成長の重要な要素だ。難民には生活再建の機会を与えるべきだ」と異論を唱えた。貿易政策では、トランプ氏が「孤立主義者ではないが、公平でなければならない」とドイツとの貿易赤字を問題視して協議する意向を強調。メルケル氏は「米国と交渉するのはドイツではなく、EUだ」と述べ、米独二国間の貿易交渉に否定的な考えを示した。:特に共同記者会見中のメルケル首相の険しい表情が印象的)。4月以降、欧州は政治の季節を迎えますが、米国との亀裂が鮮明になった場合、欧州発のテールリスクは昨年のブレグジット以上にマーケットに影響を与えかねないだけに要注意です。膠着相場が続く中でリスク度が徐々に高まりつつある気配です。各方面に細かく目配せしながら新年度相場のスタートを切りたいと思います。

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