FM 今週のポイント(6月13日)

2016/06/13 <>

*膠着感が極まっています。週末はSQにもかかわらず東証1部の売買代金は2.45 兆円にすぎません。今週の日銀決定会合もスルーを決め込んでおり、月末の英国のEU離脱をめぐる国民投票の結果を見るまでは動きそうもありません。体たらくな国内株式市場とは違い、原油価格の保ち直しが鮮明になっています⇒9日のWTI 先物相場は1バレル51.67 ドルと2015 年7月以来(11ヶ月ぶり)の高値をつけました。鉄鉱石等の資源価格も上昇しており、高金利の資源国通貨が投資家の注目を集めています。高金利・資源国通貨の代表格であるブラジルレアルは対ドルで3.3レアル台後半まで上昇(約10 ヶ月ぶりの高値水準)、米国ハイイールド債市場も昨年末の水準を回復しています。世界的な2月の急落から徐々にニュートラルゾーンまでの回復を果たしたリスクマーケットはここにきて一段とリスクオンの度合いを高めているかに見えます。一方で英国のEU離脱懸念からユーロ安が進行していることも事実で、期間限定の資金シフトに過ぎないかもしれません。あるいは米国の利上げが執行猶予の状況にあることを利用したヘッジファンド等の短期筋の駆け込み運用かもしれません。いずれにしてもなんとなくリスクオンに騙されずに、今しばらく様子を見る必要があると思われます。その意味では日本株市場に参加している(参加していない)投資家は賢明です。

*今週は日米の中央銀行金融政策に関心が集まります。14、15 日にFOMC が開催され、終了後に声明と経済予測が発表されます。15、16 日に日銀が金融政策決定会合を開き、結果発表後に黒田総裁が会見する予定です。FOMC では6月の利上げの可能性はほぼありませんが、イエレンFRB 議長の声明で5月の雇用統計が「異常値」だったとの判断が示されるようだと、7月利上げの可能性が再燃するものと思われます。参院選前でもあり、日銀の金融政策決定会合に対する市場の期待はほとんど無いと考えられますが、足元では、三菱東京UFJ 銀行が国債入札に特別な条件で参加できる資格(プライマリー・ディーラー)を返上する方針とも伝えられており、一段と追加緩和への期待値は低下していると見られます⇒追加緩和に動けば、相当なサプライズになりそうです。しかし、EU残留・離脱を問う英国の国民投票を控え、様子見機運は一段と高まる見込みです。国民投票が23 日に迫るなか、急落したとしても押し目買いは難しい局面です。10 日明らかになった英国の最新世論調査によると離脱派が55%と在留派を10 ポイント上回っています⇒欧州市場では、ユーロストックや英FTSE、独DAX など軒並み2%~4%を超える下落となっています。米国株も下落してCME 日経平均先物の清算値は16290 円になっています。週初の国内株式市場は16000 円を意識した展開になりそうですが、テールリスクであるはずの英国EU 離脱問題が間近に迫りリスク回避の流れが続きそうです。円相場もドル安に振れやすく、物色は一段と個別対応になりそうです。

 

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