FM 今週のポイント(4月27日)
*23 日に米国株式市場でナスダック総合株価指数が4日続伸して2000 年3月のITバブル以来、15 年ぶりの史上最高値を更新しました。日本のバブル崩壊、ITバブル崩壊を経験している者として感慨無量です。そして日経平均株価は2万円大台を明確に抜いて、こちらも目指すはITバブル時の高値20833 円です(2000 年4月12 日)⇒年初来のハイペースを考えると5月連休明けにも達成する可能性があると思います(今年はSell In May は起こらないと考えています)。
*2月からの日本株急上昇を牽引したのは外国人投資家です⇒2月2週から4月3週までの現物+先物の買い越し額は約4兆円です。外国人投資家が日本株を買わざるを得ない背景は対ベンチマーク比アンダーウェート(日本株のベンチマークウェート7.5%に対してグローバルファンドの日本株保有比率は4.9%で2.6%程度のアンダーウェート)の中での直近のドルベース急上昇(ドルベースの日経平均株価は週末167.4 ドル:年初から15%上昇)にあります⇒日本株を持っていないと運用競争に負けてしまいますね。ユーロ圏の2年債がマイナスになっていることも大きいと思います(週末ドイツ2年債利回りはマイナス0.269%。Euribor もマイナス)⇒円キャリーならぬユーロキャリー取引が横行していると思われます(ユーロで調達してリスク資産に投資する:米国株よりも日本株を選好する短期投資家が多いと思われる)。グローバル短期投資家が日本株を買う場合、高値圏にある高ROE 銘柄よりも出遅れ低PBR 銘柄を選好することは必然です。特に現状は業績発表の真っ最中であり、既に評価が高い好業績銘柄は出尽くし売りになる危険性が想定されます。今週、メガバンクを中心に銀行株が集中的に物色された背景です。
*今後の物色の方向性が難しくなりました(出遅れバリューで攻めるのか、従来のトレンドに沿って債券代替ディフェンシブを選好するのか?)。5月にはMSCI ジャパン最小分散インデックスの組み入れ銘柄が変更されるようです。当然ながら、医薬品セクター、食品セクターの一部の銘柄はボラティリティが大きく跳ね上がっているはずで、一部銘柄はインデックスから除外される可能性が高くなります(ちなみに組み入れ比率1位の4523 エーザイの対日経平均ベータ(90 日)は昨年末の0.69 から直近は1.05 に上昇している:日経平均を超えるボラと考えて良い)⇒4月に入ってからの当該セクター不振の一因。ただし医薬品、食品セクターの過度な上昇は公的年金資金等のスマートベータ対応だけが理由ではなく(債券代替投資による世界的な潮流)、銘柄入れ替えによる一時的な混乱があったとしても、世界的な過剰流動性拡大の流れが続く限り長期的な上昇傾向に変化は無いと思われます。しかし、一段と銘柄選好に複雑さを増している相場状況であり単純な上昇相場ではありません⇒αの獲得が難しいアクティブマネージャー受難の時期が暫く続きそうです。
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