FM 今月のポイント(2015年2月)

2015/02/02 <>

*波乱の年末年始相場でしたが、1月が終わってみれば2年ぶりの陽線となり日経平均株価2万円突破を目指して幸先の良いスタートとなりました。先ずは年末年始の波乱相場を振り返ってみたいと思います。きっかけは原油安とユーロ安です。昨年6月を転機に下落を続けてきた原油価格が昨年末から急下落、米国シェールガス関連企業の破綻に加えロシアをはじめとした産油新興国に対する懸念が拡大しました。また、ユーロ圏の景況感悪化、デフレ進行懸念、QE実施観測に加えてギリシャのユーロ圏離脱懸念が重なりユーロ安が顕著になったことから、世界的にリスクオフの流れが加速しました。日経平均株価は16に16592円の安値を示現しています。昨年は年始1週間で600円弱、1ヶ月で1400円弱の下落をみて5月まで不安定な相場状況に陥り、今年もその再現が危惧されました→月間223円高、価値ある陽線です。

*原油安、ユーロ安が波乱相場のきっかけでしたが、背景には世界経済の減速があります。原油安がしきりと喧伝されますが、CRB商品先物指数も昨年6月から下落を続けています→世界経済の成長率低下と同期して下げ続けています。リスク資産全般が同一の方向に動くとすれば、本来、株式も下落するはずですが、世界の株価指数は高値圏レベルを維持しています。明らかに原油・商品等と株式がデカップリングしています。おそらくデカップリングの背景は世界的な過剰流動性拡大が維持されていることと米国経済の好調さが持続していることです。年末年始はユーロ安と円安によりドルベースの過剰流動性モメンタムが低下したことと12月のISM製造業景況感指数が減速したことで世界の株高(原油・商品等と株式のデカップリング)を演出していた2大要因に陰りが生じたことでリスクオフが進行したことになります。今後の株式市場を展望する上で、株高の2大要因の行く末を注視する必要があります。

*今年に入り、もう一つのデカップリングが顕著になっています。それは日米の株価です。従来、NYダウと日経平均株価を単純に並べて日経平均がダウを上回る場面は少なく、あったとしても短期間でした。1月末現在、NYダウは17164.95、日経平均株価が17674.39となり、日経平均株価がNYダウを大幅に上回っています。従来の日米株価の連動性(外国人投資家比率が高い日本株はNYダウ以上にボラタイル=NYダウが下落する場面でNYダウ以上に下落する)を考えると不思議な現象が起きています。マーケットでは公的年金を中心とする買需要の説明力が高いと思われますが、見逃せないのは日米企業業績の方向感の違いです。米国企業の10-12月期の業績は外需企業を中心に下振れが相次いでいます。業績悪化の主要因はドル高です(米国内需企業は堅調な業績を発表している)。一方、日本企業は円安(ドル高)の恩恵を十二分に受けるとともに米国内需の好調さ、原油安メリットもじわじわと効きだして想定以上の好決算が期待できます。世界的に米国株から日本株への資金シフトが起こっても不思議ではありません(現状で円安進行が一服していることもポイント→ドル建ての日経平均株価等が上昇、 外国人投資家が資金シフトを加速させる要因)。外需に影響を受けない好業績内需株が選好されている理由にもなっています。当面は日米株価のデカップリングが継続すると考えられます。 先ずは年度末に向けて堅調な相場展開を期待します。

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