12月の米国景況感指標~金融政策への影響は?

2019/01/08 <>
  1. PMINMI双方低下しました。NMIは底堅く、米国景気は減速しつつも内需主導で拡大し続けています。
  2. 10-12月期は成長ペースが年率+3%を割り込み、19年は同+2%台半ば中心の推移を予想しています。
  3. 米国の景気減速はほぼ想定通りです。金融政策は今年前半で打ち止めとなる公算が高いと考えます

非製造業の景況感は依然高水準

ISM(全米供給管理協会)が発表した、12月の製造業PMI、非製造業NMIは、それぞれ前月比-5.2、-3.1と大きく低下しました。PMIが前月比5ポイント以上低下したのは、リーマンショック直後の08年10月以来であり、景況感の落ち込みが目立ちました。双方の動きを見る限り、米国の成長ペースは、ピークアウトが濃厚になってきたことがうかがわれます。

構成指標を見ると、PMIは生産指数が前月比-6.3、新規受注が同-11.0と足元の活動の鈍化が目立ちました。このところの世界的な景気減速を受け、外需が伸び悩んでいることが影響したと見られます。一方、NMIについては、企業活動指数(PMIの生産指数に相当)は同-5.3でしたが、新規受注は同+0.2でした。この結果、NMIはPMIに比べると底堅く、米国経済が減速傾向を鮮明化させつつも、内需主導の拡大を続けていることが示されたと考えています。

201901081 201901082

年前半で利上げは打ち止め

アトランタ連銀発表のGDP Now(各経済指標から経済成長率(前期比年率)を推計)によると、PMIまで織り込んだ段階(1月3日時点)で、18年10-12月期の実質GDP成長率(推計)は前期比年率+2.6%と、減速を示唆しています。アムンディでは、19年の成長ペースについて、年率+2%台半ばを中心に推移すると予想しています。

今後の金融政策に対して市場が神経質になっています。足元で、景気減速を示す指標が増える中で、コンスタントな利上げ継続は、景気にとってマイナスという見方が増えているためです。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長も柔軟な対応を示唆する発言を強いられています。アムンディでは、米国の景気減速はほぼ想定通りです。利上げは19年前半で打ち止め、FF金利誘導水準が3%を超える公算は小さいと見ています。2回・0.5%がメインですが、足元の状況を見るにつけ、やや流動的に見ています。

201901083

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会