11月の米国雇用統計~利上げ方針に変化はあるか?

2018/12/10
  1. 11NFPは前月比+15.5万人とプラス幅鈍化です。景況感指標等から、ほぼ想定内の結果でした。
  2. 賃金が前年同月比+3.1%と+3%台が続きました。今後も個人消費が刺激される展開です。
  3. 利上げ打ち止め論が広がっていますが、雇用環境からは利上げ継続の公算が大きいと考えます

最近の景況感指標とほぼ整合

7日、米労働省が発表した11月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+15.5万人でした。事前に発表されていた景況感指標等から、プラス幅縮小はほぼ整合しています。増勢がピークアウトした感もありますが、まだ月20万人程度の増勢の範囲内にあり、雇用は順調に増加していると判断されます。

増勢がピークアウトというのは、NFPの前年同月比増加幅が3ヵ月連続で縮小したためです。3ヵ月連続は09年半ば以降の景気拡大局面で初めてです。15年2月~17年9月のプラス幅縮小局面でも、2ヵ月連続まででした。これは、雇用がこれ以上増えない状態(完全雇用)になっているともいえます。3ヵ月間の増加幅の縮小は15.6万人と、依然軽微にとどまっていますが、次月以降も増加幅縮小が続くようならば、1年後辺りには景気ピークアウト感がよりはっきりしてくると考えられます。

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景気動向を注視しつつも利上げ継続

民間企業時間当たり平均賃金(以下、賃金)は前年同月比+3.1%と、10月と同水準で+3%台を維持しました。賃金伸び率は、景気に対して遅行する指標であり、これが高まる局面は、景気拡大が成熟期にあることを示唆します。それでも、伸び率の高まりに応じて、当面は個人消費が刺激されると見込まれます。

景気減速が近付いており、それに応じて利上げも近々打ち止めとなるのではないかとの市場の見方が強まっています。確かに、ここから先の利上げは景気動向を注視しながらということになると見込まれますが、足元の雇用環境から、現時点では、引き続き19年前半まで3回・0.75%の利上げの見方を維持します。

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