12月の豪金融政策について~19年の豪ドル相場は?
- 政策金利は1.5%で据え置き、年間通して横ばいでした。インフレ率が依然低位で様子見が続きます。
- RBAは19年のインフレ率+2%台、実質GDP成長率+3%台を想定。達成まで低金利を維持する姿勢です。
- 米利上げの行方が見え始め豪ドルは反発、19年は豪の利上げ気運で相場は下支えされると考えます。
見通し達成へ低金利維持
4日、オーストラリア〔豪州〕準備銀行(以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%に据え置きました。16年8月の利下げ以来、史上最低水準での据え置きは2年4ヵ月になります。
豪州経済は引き続き順調です。10月の失業率は5.0%と前月比横ばいも今年最低を継続、正規中心に雇用が増加しています。これは、1人当たり平均賃金の底上げを期待させ、これを通じ、個人消費が刺激される流れが続くと予想されます。
また、最近は中国の景気減速が懸念されますが、貿易統計を見ると、最近の輸出は日本、ASEAN(東南アジア諸国連合)、米国向けが堅調で、中国向けが今一つ伸びないのを補って余りある状況です。一方、インフレ率は10月のMI_CPIが前年同月比+1.6%と、原油安が影響して低下しました。RBAは、19年はインフレ率+2%台、実質GDP成長率+3%台の想定を変えておらず、それまでは景気刺激的な水準である1.5%の政策金利を維持することが適当としています。
米利上げ打ち止め気運で反発の後は・・・
豪ドル相場は反発しています。ここに来て米国で利上げ打ち止めが近いとの見方が急速に強まったためと見られます。原油価格下落を受けて商品市況全般は落ち込んでいますが、豪州の主要鉱産物である鉄鉱石の相場は底堅いため、商品市況の落ち込みの影響は限定的です。
今後の豪ドル相場は、豪金融政策の動向がより影響を強めると考えます。米利上げ打ち止めが見え始め、市場がそれを織り込む動きになっているためです。RBAのインフレ率、景気の想定によれば、19年後半には豪州でも利上げ気運が拡大すると見込まれます。したがって、当面はこれ以上の上昇余地は狭まっていると見られますが、半年から1年先という観点から、豪ドルは下げにくい展開になっていくと考えます。
アムンディ・マーケットレポートはこちら
アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会