豪、今年はすべて据え置き~金融政策、豪ドルの展望
2017/12/05
<投資信託>
- 政策金利は1.5%で据え置きです。今年は緩やかな景気回復が続く中、様子見姿勢が続きました。
- 雇用環境良好もインフレ率は低位で、RBAはインフレ目標達成に現行金利水準が適正としています。
- 米金融政策、商品市況、中国経済の動向をにらみつつ、豪ドルは方向感のない展開となりそうです。
低金利維持の姿勢
本日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)が定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%で据え置きました。16年8月の利下げ以来の据え置きが続いています。
国内景気は緩やかな拡大が続いており、雇用環境は良好です。10月の失業率は5.4%と、13年2月以来4年8カ月ぶりの低水準となりました。正規雇用者の増加が多く、将来的な賃上げ圧力になると期待されます。しかし、足元までインフレ率は低く、CPIは依然としてRBAのインフレ目標の下限(+2%)を下回っており、RBAは、インフレ目標達成のためには現行の政策金利の水準を維持することが適正としています。雇用や一部のインフレ関連指標にはインフレ加速の兆しもないわけではありませんが、当面は利上げのきっかけがつかみにくい状況が続くと思われます。
外部環境に影響受けやすい展開
豪ドル相場は、比較的連動性の高い工業用商品の市況の頭打ちや、米国で利上げ継続期待が強いこと、などから、対米ドル、対円共にやや弱い相場展開をたどっています。
国内に利上げのきっかけが乏しい中で、豪ドルは外部環境に影響を受けやすいと思われます。利上げ継続が予想される米国との金利差が縮小するという点は豪ドル安要因ですが、半ば織り込まれていると思われます。一方、工業用商品の市況は、産出が多い鉄鉱石が年前半の高値から反動安になっており、豪ドルの上昇を抑えていると見られます。また、減速傾向にある中国経済も不透明要因です。これらの動向をにらみながら、豪ドルは引き続き一定の範囲内を上下する方向感のない展開になると思われます。
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