英中銀、「Brexit利下げ」を解消~ポンド相場の展望

2017/11/06
  1. 1-2日のMPCでは政策金利が0.5%へ引き上げられました。インフレ率上昇を映した措置です。
  2. 先行きは緩やかな利上げが見込まれていますが、EU離脱の経済への影響に左右されそうです。
  3. 材料出尽くしでポンドは直後下落しましたが、金利上昇期待が維持され、下げ余地は小さそうです

「インフレ目標重視」の姿勢

イングランド銀行(英中銀、以下、BOE)は、1-2日にMPC(金融政策委員会)を開きました。政策金利を0.25%から0.5%へ引き上げ、APP(資産購入プログラム)は据え置きました。9月CPIが前年同月比+3.0%と、目標(+2%)から上振れしたことを映した措置です。Brexit(EU〔欧州連合〕離脱)決定後の利下げ(16年8月4日:0.5%→0.25%)は1年3カ月で解消されました。

同日発表された、四半期インフレ・レポートでは、政策金利は18年に1回程度利上げの見通しを示し、18年末は8月発表の前回レポートよりも0.2%上方修正されました。一方、CPIは、年明け以降は前回レポートを下回り、金融政策がインフレ目標重視で運営される影響と見られます。なお、実質GDP成長率については、ほとんど変化ありませんでした。

※APP:国債4350億ポンド、社債100億ポンドの保有残高を維持する

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目先要警戒も、下げ余地小さい?

BOEは、当然のことながら、EU離脱交渉の行方には深い関心を示しており、インフレ目標重視を前提としつつも、今後、状況に応じて柔軟な政策対応をする可能性は十分にあります。

英ポンド相場は、利上げ直後の材料出尽くし感と、追加利上げは当分先との見方もあり、下落方向に反応しました。目先は市場の警戒感から、ポンド安を引きずる神経質な動きがあり得ます。しかし、先行きの政策金利の水準が、以前よりは上方修正されているのは事実であり、金利面で見た妙味が向上したのに加え、緩やかな景気拡大が維持されるとの見通しから、今後数カ月間で見れば下げ余地は小さいと思われます。

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