中国の17年7-9月期GDP統計について

2017/10/19
  1. 実質GDP成長率は+6.8%と小幅減速でした。内・外需双方で少しずつ減速方向に影響しました。
  2. 固定資本投資も減速が続いていますが、年間成長目標がクリアされるのはほぼ確実な情勢です。
  3. 景気刺激に向け、金融当局は元高是正姿勢ですが、外貨準備の回復もあり、元安も限定されそうです

年間目標ほぼクリア

本日、中国国家統計局が発表した17年7-9月期の実質GDPは、前年同期比+6.8%と、4-6月期から0.1ポイント減速しました。関連指標では、7-9月期の小売売上高は同+10.3%、鉱工業生産は同+6.3%、それぞれ4-6月期の同+10.8%、同+6.9%から減速しました。また、輸出の伸び鈍化から貿易黒字も、4-6月期の月平均405億ドルから7-9月期は390億ドルへ縮小しました。

固定資本投資も減速しました。4-6月期の前年同期比+8.3%から7-9月期は同+5.8%へ減速しました。中央からのインフラ投資(エネルギー開発と見られる)が増加したものの、全体のほとんどを占める地方からの投資は減速でした。産業別でも1次産業から3次産業まですべて減速でした。しかし、共産党が年間の経済成長率の目標+6.5%をクリアするのはほぼ確実です。

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成長維持へ元高の行き過ぎを是正

緩やかながら景気が減速していることを受け、金融当局は、通貨である元の為替先渡取引に対する準備金を事実上撤廃しました。これで、元を売りやすくなったため、足元は元高がやや是正されています。しかし、元安は景気刺激効果があるほか、世界的に景気が好調なことを背景に貿易が回復し、外貨準備が緩やかな増加方向にあるなど、元は上昇、下落双方の要因が混在しています。こうした中、元は当面、対ドルでは方向感の乏しい展開となりそうです。

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