メキシコ、予想通りの政策金利据え置き~今後のペソ相場は?
- 計10回、累計4.0%に及ぶ利上げから、前会合同様7.0%で据え置き、市場予想通りの結果でした。
- 自然災害の影響の物価上昇懸念は一時的と見られ、中銀はインフレはピークを打ったと示しています。
- 対米通商関係、金利差がペソの重しですが、相対的に高い金利や経済成長が下支えとなるでしょう。
全会一致で据え置き
メキシコ銀行(以下、中銀)は、28日の金融政策会合で、政策金利である翌日物金利を7.0%で据え置くことを決定しました。15年12月からの計10回、累積4.0%に及ぶ利上げは休止、前会合同様の据え置きとなりました。
9月前半CPIは、前年同月比+6.53%と、8月の同+6.66%から減速、コアも同+5.00%から+4.90%へと減速しました。テキサスの製油所を襲ったハリケーン「ハービー」の影響で、ガソリン価格が高騰しましたが、食品の下落が相殺、堅調なペソもあいまってインフレは鈍化しました。中銀は、ハリケーンや巨大地震は甚大な被害を及ぼしたものの、物価への影響は一時的であり、インフレは既にピークアウトし、18年末には目標値である+3%へ収束すると示しています。
一方、好調な輸出と個人消費を背景に、4-6月実質GDPは順調に拡大したものの、労働需給ひっ迫によるインフレ再燃や、先行き不透明なNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉など、米国との関係悪化を、景気減速リスクとして中銀は注視しています。3会合を終えたNAFTA再交渉は、中小企業に関する章の新設が合意されるなど一部では進捗しているものの、原産地規制などの肝となる争点への合意は時間を要するとみられ、先行き不透明感は否めません。
米国との金利差
米国との通商関係に加え、先日行われたFOMC※でタカ派的な見方が台頭したことから、ドル高が再燃、米国との金利差縮小が、通貨ペソの重しとなっています。
※米連邦公開市場委員会
一方、インフレ抑制や税制目標を遵守すべく、構造改革を断固として遂行しようとする政府の姿勢は、投資家からの信任も厚く、相対的な高い金利や経済成長とあいまって、ペソを下支えする要因になると思われます。
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