ユーロ圏の9月景況感について
- 9月のIFO指数は前月比-0.7ポイントです。ユーロ高が製造業の景況感に影響しているようです。
- ユーロ圏の景況感指標は底堅い動きです。景気への先行き期待の根強さが反映されたと見られます。
- 足元、対ドルで反落していますが、堅調な景気を背景にユーロは底堅く推移すると見込まれます。
ユーロ高の影響は、域内全体では軽微
9月のユーロ圏の景況感指標は、動きにバラつきはあったものの、おおむね底堅い動きでした。独調査機関CESIfoが発表した9月のドイツ企業景況感指数(IFO指数)は、前月比-0.7の115.2でした。2カ月連続の低下です。製造業の景況感指数が伸び悩んており、年初から続いているユーロ高で、好調な製造業にもさすがに先行き懸念が出てきたことが影響したと思われます。
一方、他の景況感指標は、PMI(総合)※が前月比+1.0の56.7、ZEW期待指数◇が同+2.4の31.7、センティックス指数☆は同+0.5の28.2となり、いずれも上昇しました。ドイツはユーロ圏の主要国の中ではGDPに対する輸出の割合が高いため、より製造業の景況感が反映されやすいことがIFO指数との違いになったと見られます。したがって、他の指標は、ユーロ圏の景気に対する先行き期待の根強さが反映されたと見られます。
※PMI:購買担当者景気指数 ◇ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出 ☆センティックス経済信頼感指数(本文では「指数」に省略):ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
米利上げ期待上昇による反落も一時的か
ユーロ・ドル相場は足元1ユーロ1.17ドル台で、やや頭が重くなっています。これは、米国で年内利上げの可能性が高まったことから、ドルがやや戻ったことが背景にあると見られます。
景気の好調さを背景に、年明け後には金融緩和縮小→長短金利上昇の方向性は変わらず、ユーロ自体も割高感は乏しいため、反落は一時的で、当面底堅く推移すると思われます。
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