南アフリカGDP速報と金融政策、相場の展望
- 4-6月期実質GDP成長率は前期比年率+2.5%となり、8年ぶりの景気後退から脱出しました。
- 未曽有の干ばつから回復した農業中心に第一次産業が大幅増、予想上回る成長に大きく寄与しました。
- 12月の与党党首選を控え、通貨ランドは当面神経質ですが、景気回復と高金利に下支えされそうです。
8年ぶりの景気後退から脱出
5日、南アフリカ統計局が発表した4-6月期実質GDP成長率は、前期比年率+2.5%と市場予想を上回り、8年ぶりの景気後退から脱出しました。前年同期比は+1.1%でした。
内訳をみると、未曽有の干ばつから回復した農業を中心に、第一次産業が前期比+33.6%と大幅増となり、GDPを0.7ポイント押し上げました。また、穏やかな世界景気拡大で商品市況が回復、石炭、金、鉄鉱石などの産出増につながった第二次産業(同+3.9%、GDPを0.3ポイント押し上げ)など、幅広い項目がプラス方向に寄与しました。
需要項目別では、インフレ鈍化を受けて個人消費が前期比+4.7%と堅調です。中銀は7月に5年ぶり、予想外の利下げに踏み切りましたが、約2年ぶり低水準のインフレ鈍化※を受け、年内の追加利下げ観測も高まっており、金融緩和サイクルが回復基調にある景気の下支えになると思われます。一方、ギガバ財務相は声明で、長引く低成長が貧困や高失業率などを助長していると厳しい見方を示しており、政府目標の5%成長を大きく下回る現状に警鐘を鳴らしています。
※7月CPI(消費者物価指数) 前年同月比+4.6%
政局不安続くも、ランドは底堅く推移
また、ズマ大統領の政局運営難航など、長引く政局不安が経済の足かせになっています。度重なる汚職疑惑に揺れるズマ大統領の進退を巡り、ランドも一喜一憂の値動きを余儀なく強いられてますが、12月の与党ANC*の党首選を控え、当面は神経質な展開が続くと思われます。
*アフリカ民族会議
一方、軟調な経済指標を背景とした穏やかな米利上げ観測は、ランドの追い風となり、景気回復、高金利を選好する資金流入とあいまって、今後もランドを下支えすると思われます。
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