ECB理事会について~今後の金融政策とユーロ相場の展望
2017/03/10
<投資信託>
- 各種政策金利や量的金融緩和など、すべての政策手段は現行で据え置かれました。
- インフレ率が上昇していますが、安定的ではないとの見方から、金融緩和維持の姿勢は変わりません。
- 景気、物価見通しはやや上方修正されました。来年は緩和縮小を模索し始める可能性があります。
インフレ目標の安定的な達成が緩和縮小の条件
ECB(欧州中央銀行)は9日に定例理事会を開き、政策金利や量的金融緩和などの各種政策手段を現行で据え置くと決定しました。各種債券の購入プログラムは4月から月600億ユーロと、これまでの月800億ユーロから減額され、12月まで実施される予定です。
足元でインフレ率が上昇しており、金融緩和縮小の有無が取り沙汰されています。2月のHICP(ユーロ圏統合消費者物価指数)は、総合が前年同月比+2.0%と、13年1月以来約4年ぶりに+2%台に乗せ、インフレ目標(+2%弱)を上回ったためです。しかし、ECBは、主にエネルギー、食料の価格上昇が原因であり、安定的ではないと評価しています。この場合、コア(食料、酒類、タバコ、エネルギー除く)が注目されますが、2月は同+0.9%にとどまっています。今後、経済情勢が想定を超えて大きく変動しない限り、政策金利は据え置かれ、量的緩和も予定通り実施されそうです。
18年はコアもインフレ目標に近づく見通し
今回、ECBスタッフによる経済見通しが発表されました。実質GDP成長率は17、18年が前回(12月)比それぞれ+0.1ポイント、同じくHICP総合は17年が+0.4ポイント、18年が+0.1ポイントでした。
一方、HICPコアは17年は据え置き、18、19年が+0.1ポイントでした。安定してインフレ目標が達成されるには今しばらく時間を要するという見方です。ただし、見通しに沿えば、ECBは来年にも金融緩和縮小を模索し始める可能性があり、こうした気運が出てくればユーロ相場にはプラスに働くと思われます。
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