オーストラリア(豪)の16年10-12月期GDP~豪ドル相場の展望
2017/03/01
<投資信託>
- 16年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+4.4%でした。マイナス成長は一時的でした。
- 政府支出は反動増、個人消費は引き続き堅調でした。民間固定資本投資がようやく下げ止まりました。
- インフレ率が年内にも目標圏内に届くと見込まれ、緩和余地縮小で豪ドルは底堅いと予想されます。
反動は予想以上、民需が堅調
本日、豪統計局が発表した16年10-12月期の実質GDP成長率は前期比+1.1%、年率で+4.4%でした。前期比+0.8%の市場予想を上回りました。
政府支出は国防関連を中心に反動増が予想以上でした。消費支出と固定資本投資を合わせた公的需要全体では前期比+1.5%でした。一方、民間需要は同+0.8%でした。民間消費が同+0.9%と堅調なのに加え、民間固定資本投資が同+1.5%と、8四半期ぶりにプラスに転じました。鉱業関連の投資不振がしばらく景気の足を引っ張っていましたが、ようやく下げ止まった形です。IMF(国際通貨基金)のスタッフレポートによると、17年も+2%台の安定成長が続き、インフレ率は年内にも目標圏(+2~3%)に届くと予想されています。
金融政策は中立から正常化バイアス?
豪ドル相場は、16年7-9月期のマイナス成長が明らかになって以降、追加緩和観測から対米ドル、対円で下落しました。しかし、底堅い商品市況に対する割安感が強まり、対米ドルでは1豪ドル0.71米ドル台から0.77米ドル台に反発しました。
豪経済が底堅いことや、インフレ率の改善から、一時強まった追加利下げのリスクは後退し、当面は中立的なスタンスが続くことが予想されます。さらに、インフレ率が目標圏内に入る局面になった場合、正常化に向けたバイアスに変化する可能性も否定できません。したがって、米利上げに伴う米国への投資資金の流出は抑えられ、豪ドルは下支えられると思われます。また、商品市況に対する豪ドルの割安感が依然として根強いことも、豪ドルに対する支援材料になると思われます。
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