10月のISM景気指数について~年内利上げへの影響は?(米国)

2016/11/04
  1. PMIは前月比+0.4ポイント、NMIは同-2.3ポイントと全体的にやや弱いものの50%超は維持です。
  2. 新規受注指数の低下は「反動の反動」、雇用指数は産業全体では雇用の増勢の鈍化と見られます。
  3. 現状は+2%程度の成長ペースが維持されると見込まれ、年内利上げの公算が大きいと思われます。

やや弱いながら、堅調な業況を維持を維持

ISM(全米供給管理協会)が1日にPMI、3日にNMIを発表し、PMIは前月比+0.4ポイントの51.9、NMIは同-2.3ポイントの54.8でした。製造業と非製造業の生産ウエイトはおおよそ2:8なので、産業活動全般としてはやや弱いものの、50%超は維持しており、業況は拡張方向にあります。

PMI、NMIの構成指標では、8月に急落した反動の反動という形で、新規受注指数が製造業、非製造業共に低下しました。一方、雇用は製造業が上昇したのに対して非製造業は低下となりました。ただし、製造業は非農業雇用者数全体の8%強なので、全体からすれば雇用の増勢がやや鈍化した可能性はあります。

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市場の利上げへの強いコンセンサスは妥当易でないインフレ喚起

ISMによると、今回のPMIに相当する実質GDP成長率は年率+2.8%です。また、PMI、NMIの生産高加重平均と実質GDP成長率との関係から試算したところ、直近3カ月(8~10月)の平均(53.8)では+2.3%でした。

年内、ISM景気指数が、産業全体として50を割り込むような状況になる可能性は低く、2%程度の成長ペースが当面維持されると見込まれます。市場では、底堅い米国景気を映して、年内利上げの公算が大きいとの見方があり、Bloombergが算出する12月の利上げ確率は78%と強いコンセンサスとなっていますが、この見方は妥当と思われます。

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