先行的指標改善で期待つなぐ

10月7日、米労働省が発表した9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比＋15.6万人でした。ペースはやや鈍化しているものの、民間を中心に順調に増加しています。雇用全体に対して半年程度の先行性がある人材派遣業は同＋2.3万人で今年最大の増加幅となり、先行きを期待させる動きでした。

賃金も着実に伸びています。民間企業の時間当たり賃金は前年同月比＋2.6％でした。1～9月平均で見ると＋2.5％と、同期間で14年（＋2.1％）、15年（＋2.2％）と比べ、プラス幅が拡大しています。所得環境の改善は、個人消費の安定した伸びに寄与しそうです。現状の雇用・所得環境で安定していれば年末に利上げされる可能性は高いのではないかと思われます。

就業の裾野の広がりも景気下支えに貢献

失業率は前月比＋0.1ポイントの5.0％でした。失業者数は同＋9.0万人でした。一方、労働参加率は15年9月の62.4％を底に上昇に転じており、9月は62.9％でした。これは、現在働いている人も含め、働く意志のある人の増加を示しています。失業率の上昇もその一環と思われます。

こうした中、非労働力人口が前年同月比－26.2万人と約10年ぶりに減少に転じました。非労働力人口^◇は、通常は人口増加に伴い増加しますが、新たに働きたい、もしくは再就職を諦めていたが再び働きたい人が多くなっていることを表します。こうして就業の裾野が広がっていけば、米国の景気拡大をさらに長期間維持する方向に働くと期待されます。

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html