7月のCPI(消費者物価指数)(日本)~デフレに逆戻り?~
2016/08/26
<投資信託>
- 7月のCPIコアコア指数は前年同月比+0.3%でした。消費税増税の影響がなくなった以降で最低です。
- 円高によるデフレ圧力で、目先はコアコア指数もゼロ近辺まで鈍化する可能性も否定できません。
- 円高の影響が剥落してくるほか、景気対策の効果等もあり、年明け後には持ち直すと思われます。
円高の影響で耐久財に下落圧力
本日、総務省が7月のCPIを発表しました。中心的指標であるコア指数は前年同月比-0.5%、コアコア指数は同+0.3%でした。円高が進行した影響で、主に耐久財(家事用、娯楽用の家電)価格中心に下落圧力が掛かっており、プラス幅を縮小させる展開となっています。
円高が財価格を押し下げる流れは当面は続かざるを得ず、目先はコアコア指数もゼロ近辺まで鈍化する可能性も否定できません。なお、日銀が参照指標としている生鮮食品・エネルギー除く総合は、前年同月比+0.5%(試算)でした。一時、コアコア指数に対して底堅い局面もありましたが、現在は同じ方向で推移しています。
金融緩和強化ならば物価押し上げに力
円高の物価押し下げ圧力はここ数カ月がピークと見られます。直近で最も円安・ドル高に振れた局面は15年6~8月辺りでした。アムンディでは、100円を大きく割り込む円高の公算は小さいと見ています。
為替相場の変動の影響を受けやすい企業物価指数(食品・エネルギー除く、試算値)は、7月時点で前年同月比-2.8%と、CPIを押し下げる方向に作用するものの、年末にかけてマイナス幅は縮小に向かうと見込まれます。CPIはおよそ半年余り遅れて動くと想定され、年明け後には持ち直すと見込まれます。また、景気対策で物価下支え効果も期待されるほか、9月20-21日に予定される日銀金融政策決定会合で金融緩和がさらに強化されれば、追加的な効果の力になると思われます。デフレへ逆戻りする可能性は低そうです。
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