トルコ、5会合連続の上限金利引き下げ

2016/07/20
  1. トルコ中央銀行(TCMB)は、限界貸出金利を9%から8.75%へ引き下げました。5会合連続です。
  2. 足元の混乱に対し、流動性供給を通じて金融市場の不安定性を和らげたと、委員会は評価しています。
  3. トルコリラは目先はまだ不安定ですが、事態が収拾に向かうにつれ落ち着きを取り戻すと思われます。

緩やかなインフレ率低下の下で金融政策改革継続

トルコ中央銀行(TCMB) は19日の金融政策委員会で、政策金利を7.5%に据え置く一方、上限金利の限界貸出金利を9%から8.75%へ引き下げました。TCMBは金融政策の透明性向上を進めており、今回で5会合連続の利下げです。

インフレ率は緩やかに鈍化し、来年にかけて目標上限(+7%)前後で推移すると見込まれ、金融政策改革は継続されそうです。なお、クーデター失敗を契機に、エルドアン大統領は実権強化をさらに推し進める姿勢を見せています。独裁色が濃くなることを警戒して、海外からの投資資金流入が細ることが懸念されていますが、TCMBとしては、適切な流動性供給を通じて金融市場の不安定性を吸収していくことを目指し、委員会は一定の効果を上げていると評価しています。

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政情が安定すれば底堅い経済が評価され投資資金は回帰へ

トルコリラ(以下、リラ)は、エルドアン政権の強権的姿勢に対する警戒感から、不安定な状況が続いています。対ドル相場は19日、再び1ドル3リラを超え、対円相場も35円を割り込んでいます。

ひとまず混乱は収まったものの、政治的な動きが依然として不透明であり、リラは目先不安定な動きを余儀なくされると思われます。しかし、トルコ経済は底堅さを増しており、独裁色が濃くなったとしても、政情が安定すれば対内投資は戻ってくると思われます。TCMBも市場の混乱を和らげる政策スタンスを維持すると見込まれ、不安心理が後退することによって、リラ相場は落ち着きを取り戻していくと思われます。

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