5月の雇用・物価情勢(日本)
2016/07/04
<投資信託>
- 5月の失業率は3.2%と前月比横ばいも、求人倍率がさらに上昇し、労働需給がひっ迫しています。
- 賃金、雇用者報酬が実質でもプラス圏に入っており、人手不足の効果が表面化してきているようです。
- 5月のCPIコアコア指数は前年同月比+0.6%と鈍化、消費センチメント足踏みの影響が出ています。
人手不足が賃金を押し上げる流れになりつつある
1日、総務省が発表した5月の失業率は、前月比横ばいの3.2%でした。また、厚生労働省が発表した5月の求人倍率は、有効が前月比+0.02ポイントの1.36倍、新規が同+0.03ポイントの2.09倍と、いずれも上昇しました。
有効求人数が前月比+0.3%の約251.5万人、新規求人数が同+3.1%の約92.6万人、いずれも統計開始(63年)以来の最高を更新し、人手不足感が強まっています。GDP統計における雇用者報酬※が実質で前年同期比+2.7%(16年1-3月期)で4期連続プラス、毎月勤労統計(厚生労働省発表)における実質賃金指数◇も16年1-4月平均で前年同期比+0.2%とプラス圏で、人手不足による賃金増加が表面化してきているようです。
インフレ率はやや鈍化傾向も景気対策による下支えに期待
同日、総務省が発表した5月のCPIは、コアコア指数が前年同月比+0.6%と、小幅ながら鈍化しました。
コアコア指数では対象外ですが、食品の伸び鈍化が気になります。生鮮食品を除く食料は前年同月比+1.3%でした。15年度後半+2%台だったのと比べると様変わりです。株安、景気先行き不安によってセンチメントが足踏みしており、消費者の行動が節約志向になっている影響が大きいと思われます。強力な金融緩和政策の粘り強い継続と、景気刺激的な財政政策によるインフレ率の下支えに期待したいところです。
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