12月のISM景況指数について(米国)

2016/01/08
  1. PMINMI共に小幅低下しました。ただし、製造業、非製造業共に生産、新規受注が上昇しました。
  2. 製造業は引き続き業況後退の状況にありますが、非製造業と総合すると業況は依然拡大方向です。
  3. 在庫調整圧力がありますが、輸出環境に改善の兆しがみられPMIの持ち直しが期待されます。

足元の企業活動は底堅さも見られる

ISM(全米供給管理協会)は1月4日、12月の製造業景況指数(PMI、購買担当者指数)を、6日に非製造業景況指数(NMI)を発表しました。PMIは前月比-0.4ポイントの48.2、NMIは同-0.6ポイントの55.3でした。個人消費は底堅いものの、鉱工業生産、輸出の伸びが鈍化しており、在庫調整を指向する動きも見られ、NMIとかい離した状態が続いています。

ただし、PMI、NMI共に生産(NMIは企業活動)指数、新規受注指数が上昇に転じ、足元の企業活動が底堅いことがうかがわれます。製造業在庫指数は小幅上昇しましたが、納品指数が製造業、非製造業共に低下し、在庫調整圧力が根強い局面にあります。雇用指数は製造業が低下しましたが、製造業は非農業部門雇用者数の10%未満に過ぎないので、雇用環境の悪化を懸念する必要はないと考えられます。

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全体的には景気拡張維持、PMIも持ち直しの兆し

ISMによると、PMIの48.2に相当する実質GDP成長率は年率で+1.6%程度としています。ただし、鉱工業生産高は米国経済の23%程度を占め、うち製造業に限ると18%です。PMIとNMIをこのウエイトにしたがって加重平均すると、依然50を超えています。これは、実質GDP成長率に引き直すと+2%台半ばの成長ペースが維持していることを示す水準です。

なお、PMIの算出対象外の個別指数ですが、輸出指数が51.0と、8カ月ぶりに50を超えました。輸出の伸び鈍化は、ここまでのPMI低下の一因でもあるため、今後PMIが持ち直しに転じることが期待されます。

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