11月の鉱工業生産について(日本)

2015/12/28
  1. 11月の鉱工業生産指数は前月比-1.0%でした。2カ月連続で好調だった反動が出たと見られます。
  2. 回復の勢いは脆弱ですが、輸出が復調に転じつつあり、生産は先行き底上げが期待されます。
  3. 世界経済は持ち直しが予想され、在庫調整圧力が減退する中、生産は拡大余地があると思われます。

10月に大幅増加した業種が減少

経済産業省は本日、11月の鉱工業指数を発表しました。生産指数は前月比-1.0%でした。9、10月と1%を超える伸びが続いたため今回は反動減と見られます。

反動減の動きが顕著だった業種は、はん用・生産用・業務用機械工業(10月の同+5.5%から-2.5%)、輸送機械工業(同+3.8%から-0.6%)、電子部品・デバイス工業(同+2.4%から-1.1%)でした。また、素材への需要減少の影響から化学工業(除く医薬品)が前月比-2.7%、石油・石炭製品工業が同-4.9%でした。一方、生産が増加した業種はプラスチック製品工業、非鉄金属工業など5業種でしたが、ウエイトの面でも少数派(14.8%)にとどまりました。企業の生産は回復に転じたと見られますが、勢いはまだ弱い段階です。ただし、輸出の回復が以前よりもはっきりしてきており、先行きは底上げが期待されます。

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世界経済は年明け後やや改善し生産を下支え

12、1月の生産予測指数はそれぞれ前月比+0.9%、+6.0%と、年明け後急回復が予想されていますが、かなり現実離れした強気予想もあるため、実際には12月は前月比横ばい、1月も+2~3%といったところではないかと思われます。

ただし、実質輸出の復調にも見られるように、世界経済は緩やかながらも持ち直す方向にあると思われます。在庫調整圧力も減退している中、企業の生産は年明け後も拡大余地があると思われます。

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