11月の消費者物価指数(CPI)と雇用統計(日本)

2015/12/28
  1. 11月のCPIコア指数はエネルギー価格下落の影響が和らぎ、5カ月ぶりの前年同月比プラスでした。
  2. コアコア指数は同+0.9%と0.2ポイント上昇しました。円安効果の浸透が徐々に進んでいます。
  3. 求人倍率上昇で賃金増加が期待されますが現状は横ばいです。賃上げ率が今後の物価安定のカギです。

内需拡大持続がプラス圏維持のカギ

25日に総務省が11月のCPIを発表し、コア指数は前年同月比+0.1%でした。プラス圏は5カ月ぶりです。エネルギーのマイナス幅が10月から縮小(同-11.8%→-11.1%へ)したことが影響しました。

一方、実質的なインフレの方向性を示すとされるコアコア指数は同+0.9%でした。教養娯楽耐久財(テレビ等)、家具・家事用品、被服及び履物が強含みとなっており、円安効果が徐々に浸透していることが示された形です。足元ではガソリン価格の下落が目立ち、コア指数は再びマイナス圏になることも有り得ますが、コアコア指数は小幅なプラス圏が続くと見込まれます。雇用・所得環境改善による内需拡大が今後の物価安定のカギです。

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今後は賃上げ率が課題

同日総務省が発表した11月の労働力調査では、失業率が前月比+0.2ポイントの3.3%でした。就業者数が前月比-38万人と年初来最大の減少幅となり、雇用環境改善がやや鈍りましたが、大幅に改善した10月の反動とも言えます。

一方、同日厚生労働省が発表した11月の一般職業紹介状況では、有効求人倍率は1.25倍(前月比+0.01)、新規求人倍率は1.93倍(同+0.10)でした。労働需給はさらに締まっており、賃金が上昇しやすくなっています。ただし、同省発表の「毎月勤労統計調査」では、1~10月平均の現金給与総額が前年比+0.1%にとどまっています。緩やかなインフレ定着のためには賃金の底上げが待たれるところですが、安倍政権による賃上げ促進策によって賃上げの裾野の広がりが期待されます。

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