豪州の金融政策(11月)~豪ドル相場の行方は?

2020/11/04
  1. 政策金利、3年金利誘導水準は0.1%に引き下げられました。国債購入額が大幅に増額されました。
  2. 企業、消費者双方の景況感が大きく改善し、雇用環境も好転しており、景気回復は順調と見られます。
  3. 豪ドル相場は景気回復期待で堅調でしたが、商品市況が弱含みで当面はもみ合いが見込まれます。

景況感が大きく改善

11月3日、オーストラリア(豪州)準備銀行(Reserve Bank of Australia、以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート、OCR)と3年金利の誘導水準を0.25%から0.1%に引き下げました。貸出資金供給手段として導入された期日物資金供給にも適用されます。また、今後半年で残存5~10年の国債を1000億豪ドル購入することを表明しました。これまで購入した国債の平均残存年数は約5.7年であり、より長期の資金供給を目指します。

金融緩和が強化された一方、豪州の景気は回復傾向にあります。10月の製造業PMIは56.3、消費者信頼感指数は105.02と、いずれも約2年ぶりの高水準となりました。雇用環境も好転しています。9月の失業率は6.9%と前月比+0.1%でしたが、7月の7.5%から好転しています。今回の追加金融緩和は、雇用環境が好転はしたものの、依然として「コロナ前」の水準(5%台前半)に比べると高いため、環境改善を促進させることを重要視したものと見られます。

商品市況頭打ちが豪ドル上昇を抑制

豪ドル相場は、引き続き商品市況との連動性が強い傾向となっています。代表的な商品指数であるCRB指数は、8月末頃をピークにもみ合いとなり、足元は原油価格の下落もあり、弱含みです。欧米での新型コロナ感染再拡大で、景気先行きに対する不安が再燃していることが影響していると見られます。

一部でロックダウン(都市封鎖)を再開している欧州諸国の動向が逆風となり、商品市況は上昇が抑制される展開が続くことが予想されます。したがって、豪ドルも当面はもみ合う展開が予想されます。

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