Ubicomホールディングス<3937> メディカル事業の収益性改善で、グローバル事業の先行投資を吸収し、増益確保
20年以上に亘るフィリピンでのオフショア開発実績が強み
メディカル事業の収益性改善で、グローバル事業の先行投資を吸収し、増益確保
業種:情報・通信業
アナリスト:難波剛
◆ フィリピンでのオフショア開発とレセプト点検ソフトが2本柱
・Ubicomホールディングス(以下、同社)は、フィリピンを中心としたオフショア開発拠点で、ソフトウェアの設計・開発・検査までを行うソフトウェア開発企業である。
◆ 18 年3月期上期実績、18年3月期通期業績予想
・ 18/3期第2四半期累計期間(以下、上期)の連結業績は、売上高1,545百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益135百万円(同5.3%増)となり、利益ベースでは、8月9日の修正値を更に上回った。セグメント別売上では、グローバル事業は、985百万円(同5.6%増)、メディカル事業は、559百万円(同8.9%増)とともに増収を確保した。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、同社の18/3期業績予想について、売上高3,573百万円(前期比19.4%増)、営業利益366百万円(同54.4%増)、経常利益361百万円(同25.0%増)、当期純利益220百万円(同95.9%増)と前回予想を据え置いた。
◆ 20年度に経常利益率20%以上を目指す
・同社では、現在全体の1割に満たない次世代型ソリューションによる利益貢献度を5割にまで引き上げることを狙っている。既存事業の利益率を15%、次世代ソリューションの利益率を30%にすることをターゲットとし、収益性の高い次世代ソリューション事業の構成比が高まることで、20年度に経常利益率20%以上を狙っている。
◆ 投資に際しての留意点
・同社の主要開発拠点は、フィリピンに位置し、フィリピンの地域紛争を含むカントリーリスクに留意する必要がある。また、フィリピンにおいて、長年企業所得税優遇措置の対象企業として認められていたが、現在係争中であり、加えて付加価値税の還付等、国の財政に絡み超法規的措置の可能性にも留意する必要があると当センターは考える。