グローバルセキュリティエキスパート<4417> パートナー戦略で収益性向上と成長を目指す

2022/01/04

中堅・中小企業向けサイバーセキュリティ教育の高成長企業
パートナー戦略で収益性向上と成長を目指す

業種: 情報・通信業
アナリスト: 松尾 十作

◆ 中堅・中小企業向けのサイバーセキュリティ教育カンパニー
グローバルセキュリティエキスパート(以下、同社)は、サイバーセキュリティの教育事業を軸とし、中堅・中小企業を顧客としている。同社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるが、売上高を教育事業、コンサルティング事業、セキュリティソリューション事業、ITソリューション事業に区分して公表している(図表1)。

教育事業は、セキュリティエンジニアを育成するサービスである。セキュリティ訓練サービスとセキュリティ教育講座に分類される。

セキュリティ訓練サービスは顧客企業の役職員向けに攻撃メール(ハッカーメール)を疑似した無害の訓練メールを送付し、役職員がメールを受信した際のメール処理の仕方(メールを開く、又は受診したメールそのものを破棄する、不審なメールを受信したことの上司への報告等の初動対応)の集計データを基に、役職員のセキュリティリテラシー注1向上を支援している。

セキュリティ教育講座は、セキュリティの全体像を網羅した教育サービスで、国際的に認知度の高い認定資格試験を国内限定で提供している。認定資格を取るための教材を同社が日本語に翻訳して教育講座を実施している。対象となる認定資格にはCEH(認定ホワイトハッカー注2)等がある。

コンサルティング事業は、コンサルティングサービスと脆弱性診断サービスに分類される。

コンサルティングサービスは、顧客企業のサイバーセキュリティに関する課題について、現状のリスクを分析することにより適切な改善策を提案するサービスである。セキュリティ改善計画の策定やセキュリティ管理体制の支援等幅広いサービスを提供している。

脆弱性診断サービスは、ハッカーと同等の技術を持つ専門エンジニアが、顧客企業のネットワークシステムを疑似攻撃することで、そのシステムの脆弱性を診断するサービスである。システムの脆弱性について詳細な内容と対策措置等の報告書を提出している。

セキュリティソリューション事業は、ネットワークシステムにおける最新の脅威や攻撃手法に対して有効な他社のセキュリティ製品やサービスを提供している。サービス導入後に発生したハッカーによるシステム障害に対する緊急対応サービスも提供している。具体的には、原因や被害範囲の調査、事態収拾後に同社の様々なサービスを連携することによる再発防止策のサポートまで、ワンストップで提供している。

ITソリューション事業は、ITインフラ構築等、セキュリティ周辺領域のサービスを提供している。ITインフラ構築に伴うシステム開発はほぼ内製化している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。