GMOリサーチ<3695> 広告単価下落により18年12月期減益だが、第4四半期は過去最高業績を更新
最大規模のクラウドパネルや業界標準プラットフォームを提供するネットリサーチ会社
広告単価下落により18年12月期減益だが、第4四半期は過去最高業績を更新
業種: 情報・通信業
アナリスト: 柴田 郁夫
◆ 調査会社等を主要顧客とするネットリサーチ専業会社
・GMOリサーチ(以下、同社)は、調査会社等のプロフェッショナルを主要顧客とするネットリサーチ専業会社である。
・会員保有企業(媒体)とのシステム連携によるクラウドパネル(アジア最大規模)やインターネット上で調査のすべてを完結できるプラットフォームに特徴がある。
◆ 18年12月期は売上高が横ばいながら減益
・18/12期は、売上高3,186百万円(前期比0.0%増)、営業利益248百万円(同23.5%減)と売上高は横ばいながら減益となった。
・広告単価下落の影響を受けたが、リサーチ売上の伸びにより、売上高は前期並みを確保した。一方、利益面では、海外事業への先行費用などにより減益となった。
◆ 19年12月期は海外事業の伸び等により増収増益を見込む
・19/12期業績予想について同社は、売上高3,664百円(前期比15.0%増)、営業利益326百万円(同31.1%増)と増収増益を見込んでいる。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)でも、海外事業の拡大などにより、売上高3,550百万円(前期比11.4%増)、営業利益300百万円(同21.0%増)と増収増益を見込んでいる。会社予想との違いは、広告単価下落による影響を慎重に判断したことが理由である。
◆ 中期業績予想
・当センターでは、18/12期実績や19/12期業績予想を踏まえ、中期業績予想を減額修正するとともに、21/12期までの業績予想を策定した。
・ただ、国内外で需要が拡大しているネットリサーチ市場において、アジア最大規模のクラウドパネルを誇る同社は、持続的な成長を実現する可能性は高いとみており、20/12期以降も12%程度の増収率を継続することは可能であると判断した。利益面でも、海外やマーケティング領域等への先行投資による影響を考慮する必要はあるものの、増収効果やサービスミックスの変化に伴う原価率の低減等により、21/12期には10%程度の営業利益率に到達できるものと考えている。