IKホールディングス(2722) 巣ごもり需要一巡減収、営業赤字縮小

2023/02/16

 

 

飯田 裕 会長兼CEO

株式会社IKホールディングス(2722)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場・名証プレミア市場

業種

小売業(商業)

代表取締役会長兼CEO

飯田 裕

所在地

愛知県名古屋市中村区名駅3-26-8 KDX名古屋駅前ビル5階

決算月

5月末日

HP

https://www.ai-kei.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

388円

8,308,000株

3,224百万円

-30.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

0.0%

-11.98円

-倍

321.94円

1.2倍

*株価は1/25終値。各数値、発行済株式数(自己株式を含む)は、23年5月期第2四半期決算短信より。
時価総額は1/25終値×発行済株式数。ROE、BPS、PBRは2022年5月期決算短信より。数値は四捨五入。

 

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年5月(実)

17,614

431

437

238

31.85

12.00

2020年5月(実)

18,483

590

623

384

52.19

12.00

2021年5月(実)

20,754

705

730

321

42.60

12.00

2022年5月(実)

16,335

-360

-323

-905

-115.95

12.00

2023年5月(予)

14,706

113

131

-92

-11.98

0.00

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

 

株式会社IKホールディングスの2023年5月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年5月期第2四半期決算概要
3.2023年5月期業績予想
4.今後の戦略
5.飯田会長兼CEOに聞く
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22年5月期第2四半期は減収営業赤字縮小となった。売上高は前年同期比11.3%減の72億39百万円。巣ごもり需要の一巡でTVショッピングや生協が縮小した。営業損益は前年同期比2億13百万円改善したものの1億1百万円の赤字。減収に加え、為替の円安影響もあり売上高総利益率が43.0%と前年同期と比較して4.6ポイント悪化。ただし、TVショッピングの悪化を受けて宣伝広告費を圧縮させたため販管費率は、前年同期と比較して7.0ポイントも改善した。

     

  • 23年5月期の売上高は、147億円、営業損益は1億円と従来予想を下方修正した。セールスマーケティング事業とダイレクトマーケティング事業の減収が大きかったことや、利益面では円安影響によるコストアップもあり販管費の圧縮では吸収しきれない見通しのため。業績の下方修正および今後の業績拡大に向けた新たな収益事業を創出するための投資に充当させるため、配当を無配に修正した。コスト増に対応した新売価が1~2月にかけて徐々に適用されていくので、原価率は落ち着いてくると見ている。

     

  • 飯田会長兼CEOに韓国コスメ拡販に向けた取り組み、お客様立場主義について、株主・投資家へのメッセージを伺った。「株式会社アイケイ自体は安定的に売上・利益を生み出す会社なのですが、前期はプライムダイレクト、フードコスメの子会社2社が大きな損失を計上してしまいました。ただ身軽になったこの2社が、今後1、2年で収益に貢献してくれば、安定成長のアイケイとともに一段違うステージに進むことができると考えています。株主・投資家の皆様には、是非これからも中長期の視点で応援していただきたいと思います」とのことだ。

     

  • グループの成長エンジンとして従来からの「TVで着火マルチで販売」の好循環を回すに加え、韓国コスメブランドの販売強化を掲げている。韓国コスメはInstagramやTwitterなどSNS映えしやすいことから、口コミでの評判が広がりやすいため、今後の収益への貢献が大いに期待できよう。前期の損失計上から回復し、マーケティングメーカーとしての強みを活かして再び成長軌道に回帰できるか、今後の展開を注目していきたい。

     

     

1.会社概要

独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行うマーケティングメーカー。
雑貨品類・食品類・化粧品類といった商品をTVショッピング、EC、店舗を通じて直接消費者に販売する「ダイレクトマーケティング事業」、生協、通販会社、店舗、海外など多様なルートを通じて販売する「セールスマーケティング事業」、システムの開発・販売などITソリューションを提供する「ITソリューション事業」の3事業を展開。
経営理念に「ファンつくり」を掲げ、全てのステークホルダーにファンになってもらえるグループ経営を目指している。

 

 

◎業績動向

 

【1-1 沿革】
高校・大学時代を自由な校風の中で過ごし、元来起業家精神が旺盛であった飯田 裕氏(現代表取締役会長兼CEO)は、損害保険会社勤務を経て1982年5月にアイケイ商事有限会社を設立。様々な商材の販売を手掛けていた中で、愛知県生活協同組合連合会の購買担当者の知遇を得て1983年4月に同生協の口座を開設し、職域生協との取引を開始した。
最初の商材である充電式クリーナーのチラシ販売が大ヒットとなったことが契機となり、全国他生協への横展開が進むとともに、取扱商品も増加し、業容は急速に拡大。2001年12月にJASDAQ市場に上場した。
上場に伴う認知度及び信用力の向上もあり百貨店通販や通販会社への商品供給も本格的に始まり、販売先も着実に拡大し、2007年5月期まで25期連続増収を達成した。
しかしリーマンショックで成長にブレーキがかかったのをきっかけに、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」への転換を図るとともに、それまでの「BtoBtoC」に加え直接消費者に商品を提供する「BtoC」チャネルも構築し再び成長軌道に回帰した。
2014年9月にはTVショッピング大手である株式会社プライムダイレクトを100%子会社にするなど、M&Aにも積極的に取り組んでいる。
2022年4月に、東京証券取引所プライム市場および名古屋証券取引所プレミア市場に移行。
2022年12月に、株式会社IKホールディングスに商号変更し持株会社化した。

 

【1-2 経営理念】

ファンつくり

21世紀のリーディングカンパニーとなるために追及すべきことは売上高、資本金、社員数の多寡ではなく、100年先の未来を見据えたとき、出来るだけ多くの方に「ファン」になって頂くことが企業としての繁栄に繋がると考え、「アイケイに関わる全ての人たちに『ファン』になって頂く」ことを目標として、「ファンつくり」を経営理念とした。

 

【1-3 事業内容】

(1)セグメント
2022年5月期より同社のビジネスモデルである「マーケティングメーカー」を展開するにあたり、事業内容をより適切に表現するために事業セグメントを「ダイレクトマーケティング(旧BtoC)事業」、「セールスマーケティング(旧BtoBtoC)事業」、「ITソリューション(旧その他)事業」に変更。

 

 

(同社資料より)

 

(同社資料より)

 

 

①セールスマーケティング事業・・・卸事業
メーカーとして企画・開発した化粧品、アパレル、靴・バッグ、美容・健康関連商品等を、生協、通販会社、店舗、海外の各ルートを通じて消費者に提供している。

 

(主な販売ルート)

生協ルート

コープさっぽろ、コープ東北サンネット事業連合、コープデリ連合会、パルシステム連合会、東都生協、ユーコープ、東海コープ事業連合、コープきんき事業連合、コープこうべ、コープ中国四国事業連合、コープ北陸事業連合、グリーンコープ連合会、コープ九州事業連合、全国の学校生活協同組合、愛知県生活協同組合連合会、日本生活協同組合連合会など。

通信販売ルート

東海テレビ事業(株)、(株)高島屋、(株)ディノス コーポレーション、(株)セシール、(株)ベルーナ、(株)千趣会、㈱ニッセン、auコマース&ライフ(株)、(株)エー・ビー・シーメディアコム、(株)J・A・Fサービス、(株)JALUX、(株)小学館集英社プロダクション、(株)QVCジャパン、(株)ロッピングライフ、(株)日本文化センター、(株)全国通販、グリーンスタンプ(株)、(株)山忠、(株)ライトアップショッピングクラブ、(株)テレビ東京ダイレクト、(株)クレディセゾン、(株)郵便局物販サービス、(株)ユーキャン、(株)MBSイノベーションドライブ、エクスプライス(株)、(株)フェリシモ、(株)ハルメク、(株)カタログハウス、(株)ジェイオーディなど。

店舗ルート

バラエティー系

(株)ドン・キホーテ、(株)長崎屋、(株)UDリテール、(株)ロフト、(株)コスメネクスト、(株)東京ドーム、(株)イズミ、(株)東急ハンズなど。

ドラッグ系

(株)マツキヨココカラ&カンパニー、(株)ツルハホールディングス、(株)クリエイトエス・ディー、(株)アインファーマシーズ、(株)サンドラッグ、スギホールディングス(株)、イオンリテール(株)、(株)ダイコクなど。

HC系

コメリ(株)、(株)カインズ、など。

家電系

(株)ヤマダ電機、(株)ビックカメラ、(株)ヨドバシカメラなど。

海外ルート

中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、インドネシアなど。

 

 

②ITソリューション事業
子会社アルファコム(株)が、音声通話録音システム「Voistore」などコンタクトセンター構築に関わるシステムや、ビジネス版LINE「LINE WORKS」、チャットシステム「M-Talk」などを販売している。

 

③ダイレクトマーケティング事業・・・小売り事業
子会社(株)プライムダイレクトが、WEBサイトやTVショッピング枠を通じて直接消費者に商品を提供しているほか、子会社(株)フードコスメが、リアル店舗である「SKINFOOD」は直営店の不採算店4店舗及びフランチャイズ3店舗を閉鎖したことから、2022年11月現在、直営店11店舗のみとなった。韓国コスメブランド店舗「hince」と複数の韓国コスメを取り扱う「CHANCE UPON」をそれぞれ1店舗出店いたしましたことから、店舗の総数は「OLIVE YOUNG」2店舗と合わせて、15店舗となった。

 

(2)主な自社開発商品
マーケティングメーカーとして、様々なジャンルの商品を自社開発している。

 

≪ヘルスケア≫

(同社資料より)

 

≪ビューティ≫

(同社資料より)

 

≪エンターテイメント≫

(同社資料より)

 

【1-4 特長と強み:マーケティングメーカーとしてのビジネスモデル】
同社を特徴づけている最大のポイントは、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」としてのビジネスモデルであろう。
同社のビジネスモデルは以下の3つの機能によって構成されている。

 

 

(1)強力な商品開発・発掘・調達力
幅広い販路から得た情報や40年以上に亘って培ってきた経験を活かし、魅力ある商品を開発・発掘・調達している。
隔週で「開発承認会議」を開催し、それぞれ7~8名で構成される化粧品、雑貨、食品の各開発チームが、役員や販売担当責任者に対して新商品の提案を行う。チャレンジを貴ぶ同社では各チームが自由な発想の下、毎月平均10以上のアイテムを提案するが、全てが承認されるわけではない。
同社では商品開発について「オリジナリティ重視」、「徹底的な差別化」等を定めた「開発十訓」が定められており、提案された商品はこれを基に厳しく批評されたり、宿題を出されたりするが、こうしたプロセスが開発担当者を鍛え、更なる商品開発力の強化に繋がっている。

 

(2)高いマーケティング力
ヒット商品の開発にあたって大きな力を発揮しているのが「高いマーケティング力」だ。
候補となった商品が実際に売れるのかを多彩な販売チャネルを使ってテストマーケティングを実施。その結果を受け、パッケージ、時期、ターゲット、価格など、様々な点で工夫を加え新たなプロモーションを行うことで、数多くのヒット商品を生み出している。

 

(3)多彩な販売チャネル
上記の多彩な販売先に対し単に商品を提案するのではなく、他チャネルでの成功事例なども合わせ、その販売チャネルで最も売れる売り方や見せ方も提案している。
販売先のニーズやフィードバックにアイケイならではのアイデアを融合させ、日々ブラッシュアップを行っている。
商品選定にとどまらず、カタログや媒体の制作、品質管理、受注業務、物流業務、カスタマーサービスまで、販路に合わせた全てのソリューションを販売先に提供しているのも大きな特徴である。

 

ソリューション

概要

制作

企画に合わせたチラシ・カタログサイズで売れる紙面を制作する。

受注業務

電話、メール、FAX、はがきなど全ての受注スタイルに対応したフレキシブルな基幹システムを有しており、より正確で迅速な受注業務を行っている。

品質管理

コンプライアンス遵守のほか、商品ジャンルごとに自主基準を設け、クレームの未然防止につなげる商品チェックを行っている。

物流業務

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の行き届いた自社物流センターからエンドユーザー宛に個別宅配の出荷を行っている。

カスタマーサービス

社内スタッフによるコールセンターで商品の問合せ、配送や交換相談までアフターサービスをワンストップで対応している。

 

多くの同業他社が商品の企画・マーケティングのみに特化していたり、販売チャネルが店舗に限られていたり、商品の製造や物流を他社に一任していたりするのに対し、同社は柔軟に対応できるシステムとノウハウを持つことで、他社には真似のできない独自のプロモーション戦略を実行することが可能である。

 

【1-5 ROE分析】

 

15/5期

16/5期

17/5期

18/5期

19/5期

20/5期

21/5期

22/5期

ROE(%)

-3.4

4.9

25.0

29.0

9.1

14.0

10.1

-30.1

 売上高当期純利益率(%)

-0.40

0.53

2.79

3.50

1.35

2.08

1.55

-5.54

 総資産回転率(回)

2.75

2.93

3.04

3.19

2.69

2.61

2.84

2.24

 レバレッジ(倍)

3.07

3.18

2.95

2.60

2.51

2.59

2.29

2.43

 

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成

 

22年5月期は赤字転落したことで売上高当期純利益率が悪化したためROEは悪化した。23/5期はTVショッピングなどのマーケティングの見直しなどで売上高当期純利益率は1.1%と改善する見通し。

 

2.2023年5月期第2四半期決算概要

(1)連結業績概要

 

22/5期2Q

構成比

23/5期2Q

構成比

前年同期比

売上高

8,162

100.0%

7,239

100.0%

-11.3%

売上総利益

3,882

47.6%

3,111

43.0%

-19.9%

販管費

4,198

51.4%

3,213

44.4%

-23.5%

営業利益

-315

-101

経常利益

-297

-82

四半期純利益

-598

-186

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*費用項目の▲は費用の増加を表す。

 

減収、営業赤字縮小。
売上高は前年同期比11.3%減の72億39百万円。巣ごもり需要の一巡でTVショッピングや生協が縮小した。営業損益は前年同期比2億13百万円改善したものの1億1百万円の赤字。減収に加え、為替の円安影響もあり売上高総利益率が43.0%と前年同期と比較して4.6ポイント悪化。ただし、TVショッピングの悪化を受けて宣伝広告費を圧縮させたため販管費率は、前年同期と比較して7.0ポイントも改善した。

 

(販管費の推移)

 

22/5期2Q

売上比

23/5期2Q

売上比

前年同期比

人件費

758

9.3%

698

9.7%

-7.9%

広告宣伝費

1833

22.5%

1,152

15.9%

-37.2%

物流費

744

9.1%

656

9.1%

-11.8%

その他

861

10.6%

705

9.7%

-18.1%

販管費合計

4,198

51.4%

3,213

44.4%

-23.5%

単位:百万円

 

TVショッピングにおいて主力商品のレスポンスが良くなかったため、放映枠を縮小させた結果、広告宣伝費率は前年同期と比較して6.6ポイントと大幅に引き下がった。人件費は実額が減少したが、減収が響き比率が0.4ポイント上昇。物流費も改革を進めているも、減収の影響により、比率が変わらなかった。
四半期別の営業利益率をみると、宣伝広告費の圧縮効果が出始めているのが確認できる。

 

◎四半期動向

 

(2)セグメント別動向

 

22/5期2Q

構成比

23/5期2Q

構成比

前年同期比

売上高

 

 

 

 

 

ダイレクトマーケティング事業

2,782

34.1%

2,126

29.4%

-23.6%

セールスマーケティング事業

5,173

63.4%

4,847

67.0%

-6.3%

ITソリューション事業

206

2.5%

264

3.6%

28.6%

合計

8,162

100.0%

7,239

100.0%

-11.3%

営業利益

 

 

 

 

 

ダイレクトマーケティング事業

-449

-124

セールスマーケティング事業

122

2.4%

21

0.4%

-82.3%

ITソリューション事業

8

4.1%

-1

合計

-315

-101

*単位:百万円。営業利益の構成比は営業利益率。

 

(同社資料より)

 

①ダイレクトマーケティング事業
減収営業赤字縮小。
TV・ECルートでスピードヒート温熱ベストの放映を大幅に削減し広告宣伝費を絞った。「あとりえOKADA」のシューズや「アコーディオ」の本革長財布などがヒットするも、前期のスピードヒート温熱ベストの売上額を補えず減収。ダイレクトマーケティング事業全体の売上高は6億56百万円減の21億26百万円となった。
前年同期と比較して売上高総利益率4.6ポイント悪化したものの、広告宣伝費削減など販管費の圧縮で吸収したためダイレクトマーケティング事業全体の営業利益は1億24百万円の赤字となったものの、前年同期比で3億25百万円改善した。

 

②セールスマーケティング事業
減収大幅減益。
前期の巣ごもり需要が一巡し、生協ルートでは食品類は堅調であったものの雑貨類などが落ち込んだため、セールスマーケティング事業全体の売上高は前年同期比3億26百万円減の48億47百万円となった。コスト面では円安影響もあり原価高から営業利益は1億1百万円減の、21百万円と、大幅に減少した。

 

③ITソリューション事業
増収赤字転落。
引き続きM-talkが堅調に増収したが、円安の影響により営業損失となった。

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

22年5月末

22年11月末

 

22年5月末

22年11月末

流動資産

6,553

6,252

流動負債

3,519

3,710

 現預金

1,075

926

 仕入債務

893

898

 売上債権

2,612

2,533

 短期借入金

1,492

1,841

 たな卸資産

2,420

2,432

固定負債

1,353

1,147

固定資産

825

845

 長期借入金

1,044

833

 有形固定資産

197

200

負債合計

4,873

4,858

 無形固定資産

208

271

純資産

2,504

2,239

 投資その他の資産

419

372

 利益剰余金

1,401

1,123

資産合計

7,378

7,097

負債純資産合計

7,378

7,097

*単位:百万円

 

 

借入金残高

2,536

2,674

 

 

 

自己資本比率

33.5%

30.9%

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成

 

流動資産の減少が響き資産合計は前期末比2億81百万円減の70億97百万円となった。流動負債の増加があったものの、固定負債の減少が大きく、負債合計は同15百万円減の48億58百万円となった。利益剰余金の減少などで純資産は同2億65百万円減の22億39百万円。自己資本比率は前期末より2.6ポイント悪化し30.9%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

22/5期2Q

23/5期2Q

増減

営業CF

-708

20

+729

投資CF

-205

-214

-9

フリー CF

-913

-193

+719

財務CF

925

47

-877

現金同等物残高

986

926

-59

*単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成

 

当期損失幅が縮小したことに加え、売上債権や棚卸資産、未収・未払消費税等が減少し、営業CFはプラスに転じた。フリーCFの赤字幅も大幅に縮小した。
短期借入金が増加したことで財務CFは大幅に減少。キャッシュポジションは低下した。

 

3.2023年5月期業績予想

(1)通期業績予想

 

22/5期

構成比

23/5期

(今回予)

構成比

前期比

23/5期

(前回予)

構成比

前回対比

売上高

16,335

100.0%

14,706

100.0%

-10.0%

16,426

100.0%

-10.5%

営業利益

-360

113

0.8%

511

3.1%

-77.9%

経常利益

-323

131

0.9%

520

3.2%

-74.8%

当期純利益

-905

-92

186

1.1%

*単位:百万円。予想は会社側発表。

 

減収、営業黒字を予想
23年5月期の売上高は、147億円、営業損益は1億円と従来予想を下方修正した。セールスマーケティング事業とダイレクトマーケティング事業の減収が大きかったことや、利益面では円安影響によるコストアップもあり販管費の圧縮では吸収しきれない見通しのため。また、当期純利益が赤字予想となったのは債務超過の子会社の減損を計上するため。業績の下方修正および今後の業績拡大に向けた新たな収益事業を創出するための投資に充当させるため、配当を無配に修正した。
コスト増に対応した新売価が1~2月にかけて徐々に適用されていくので、原価率は落ち着いてくると見ている。

 

(2)セグメント別動向

*売上予想

 

22/5期

構成比

23/5期(予)

構成比

前期比

ダイレクトマーケティング事業

5,184

31.7%

4,282

29.1%

-17.4%

セールスマーケティング事業

10,699

65.5%

9,911

67.4%

-7.4%

ITソリューション事業

452

2.8%

513

3.5%

13.5%

合計

16,335

100.0%

14,706

100.0%

-10.0%

*単位:百万円

 

(セグメント別月別売上高)

 

4.今後の戦略

1、同社グループの成長のエンジン

①韓国コスメブランドの販売強化
豊富な販売チャネルを活用しスキンケアやコスメのカテゴリーにおいて韓国ブランドの販売を強化。
「OLIVE YOUNG EXCLUSIVES」 や、「KAHI」、「hince」・「mnyo」の販売に注力していく。最大限に商品の魅力を広げるためEC、SHOP、店舗卸など同社グループのもつマルチチャネルを活用し、販売を強化していく(オフラインとオンラインの融合を目指して販売強化)。これまで培ってきたノウハウを、グループシナジーを活かしさらに加速させる。

 

(同社資料より)

 

日本において韓国からの化粧品輸入額は年々増加傾向にあり、今後も続くと予想される。
日本化粧品工業連合会が2022年11月7日に発表した化粧品実績によると、2022年1月~9月の輸入先別の化粧品輸入額は韓国がフランスを抜き首位となった。直営店・卸売ルートでは2024年度までに韓国コスメの導入店舗数を約5,000店までに拡販し、各ブランドのファンを増やしていく。

 

(同社資料より)

 

 

②「TVで着火マルチで販売」の好循環を回す

(同社資料より)

 

・継続商品と新たなヒット予測品・・・採算がとれる手持ちヒット品を20アイテムまで拡大させる。

 

(同社資料より)

 

2、ダイレクトマーケティング事業の戦略
TVショッピングルート
TVショッピングルートでは収益性のある商品を20アイテムまで拡大していく。

 

ECルート

TVショッピングの受注ツールとして、TVと連動し利益最大化を狙う。

②Nanarobeブランドを更にスケールさせる。

 

SHOPルート
SHOPルートでは韓国ブランドの販売を強化していく。「SKINFOOD」・「OLIVE YOUNG EX」・「KAHI」、「hince」・「mnyo」など各ブランドのファンつくりを広げる。

 

3、セールスマーケティング事業の戦略
生協・通販ルート
TVショッピングとのシナジーを図り、TVショッピングでのヒット品を軸に、生協や通販ルートへと販売を拡大させる。全ジャンルで商品の取扱い・営業活動を強化し、商品開発担当者との同行営業など、豊富な商品情報量のもと的確な情報提供を行いながら商品の見せ方を追求する。

 

店舗事業の再建
SHOPと同様に韓国コスメの取り扱いを強化し、小売店への直卸しから、問屋を介した卸売りなどを活用し、販売効率をアップさせるともに、販路の拡大を行う。
来年度までに導入店舗数約5000店舗を目指す。
また自社開発商品の展開に向けてプロモーションも強化していく

 

4、ITソリューション事業の戦略
ITソリューションの新たな成長戦略

受注案件の確実な構築と運用スタート先行投資として新サービスの開発に着手

 

M-Talk
M-Talkは、コンタクトセンター運用仕様を網羅した、唯一のチャットシステム。
WEBサイトだけではなく、LINEなどをインターフェースとして統合運用する。チャットボット連携による「人」と「AI」の融合、テキストだけでは無くドキュメントやスタンプを活用した運用、そして様々なシステムとの連携により「コンタクトセンター運用のハイブリット化」を実現する。

 

5.飯田会長兼CEOに聞く

飯田会長兼CEOに、韓国コスメ拡販に向けた取り組み、お客様立場主義について、株主・投資家へのメッセージを伺った。

 

◎韓国コスメについて

韓国コスメの事業は強力なフォローの風が吹いており、大きなチャンスと見ています。

これまでドラッグストア向けには当社の直口座で納品していましたが、今回は今までにない大きな店舗数で展開するため、卸売業者経由での納品としました。

マイクロインフルエンサーを集め、SNSでプロモーションを仕掛けた際に、売り場にしっかりと商品が並んでいる状況が必要です。

マーケティングに関しても、以前はテレビCMを流せばそれで大体はヒットするという、極めて分かりやすい手法だったのですが、現在はSNSが最も重要です。

一気にアクセルを踏むために、社内のスタッフのみでなく社外のリソースも活用しながらマーケティング活動を展開していきます。

新ブランドのKAHIのスティック状のバームについては、店頭だけではなく、TVショッピングでも仕掛けていきます。韓国のドラマ内でもよく使われている商品で、韓国ドラマの後のCM枠を仕入れて放映すればヒットの確率は高いと見ています。

 

◎お客様立場主義について

よく「お客様第一主義」という言葉を耳にしますが、自分が順番を付けていること自体に私は大きな違和感を抱いてしまいます。

そうではなく、お客様の立場であらゆることを考え、行動する会社でなければならないとかんがえています。

例えばマーケティング一つをとっても「お客様立場主義」からは、お客様に気持ちよく喜んでもらうことを第一義とすれば、商品についてわかりやすく説明するだろうし、電話対応もおのずから明るく丁寧になるでしょう。欠品も無くし、商品発送も可能な限り迅速にお客様の元に届くようになり、届いたときの荷姿にも配慮するでしょう。

そして「お客様第一主義」とは「相手立場主義」でもありますので、社内の人間関係もそうあるべきだと思っています。仕事は1人でできるものでありませんから、相手の立場を考えて仕事を進めることも大変重要です。

私は、企業の成功の本質は「お客様から見て良い会社であり続けられるか」に尽きると信じており、成長を続けるアイケイの強みはまさにこの経営理念にあります。この軸だけは今後も決してぶれることはありません。

 

◎株主・投資家へのメッセージ

株式会社アイケイ自体は安定的に売上・利益を生み出す会社なのですが、前期はプライムダイレクト、フードコスメの子会社2社が大きな損失を計上してしまいました。

ただ身軽になったこの2社が、今後1、2年で収益に貢献してくれば、安定成長のアイケイとともに一段違うステージに進むことができると考えています。

株主・投資家の皆様には、是非これからも中長期の視点で応援していただきたいと思います。

 

6.今後の注目点

グループの成長エンジンとして従来からの「TVで着火マルチで販売」の好循環を回すに加え、韓国コスメブランドの販売強化を掲げている。韓国コスメはInstagramやTwitterなどSNS映えしやすいことから、口コミでの評判が広がりやすいため、今後の収益への貢献が大いに期待できよう。
前期の損失計上から回復し、マーケティングメーカーとしての強みを活かして再び成長軌道に回帰できるか、今後の展開を注目していきたい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

6名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年12月15日

 

<基本的な考え方>
当社は、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが求められる中、上場企業として社会的使命と責任を果たすため、経営基盤を充実し、尚且つ高い倫理観を保持し、経営の透明性を一層高めることで、信頼される企業を目指してまいります。
また、当社は経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる経営体制の確立を重要な経営課題の一つと考えており、定時取締役会(月1回開催)、臨時取締役会(必要に応じて随時開催)のほか、常勤取締役(監査等委員である取締役を含む)及び執行役員による社内役員会(週1回開催)、チームマネージャー職以上で構成されるTOP会議(週1回開催)の開催により、多方面からの情報共有に努めております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>(抜粋)

原則

実施しない理由

【補充原則1-2.(4)議決権の電子行使、招集通知の英訳】

当社は、現状、議決権電子行使プラットフォームの利用や株主総会招集通知の英訳等は行っておりませんが、機関投資家や海外投資家の株主構成等を踏まえ、株主の利便性も考慮し、必要に応じて検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>(抜粋)

原則

開示内容

【原則1-4 いわゆる政策保有株式】

当社は、取引先との継続的かつ安定的で良好な取引関係の維持・強化につながる政策保有株式を保有します。ただし、リターンとリスク等を踏まえ、中・長期的な観点から定期的に検証し、必要性が認められなくなった場合には売却を進めます。当該株式については、毎年、取締役会において保有目的や合理性、取得価格と時価との比較、受取配当金の状況等を検証し、保有の必要性を確認しております。

議決権行使については、すべての議案に対して、原則、賛成行使しますが、株主価値の毀損につながる議案に関しては個別に精査いたします。

なお、議決権行使は、当該会社の状況や当社との関係維持・強化などを総合的に判断するため、外形的な基準を設けておりません。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社では、管理チーム総務グループをIR担当部署とし、株主からの対話の依頼に対しては、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう合理的な範囲で対応しております。

代表取締役会長が、株主や機関投資家に対して、決算説明会を年に2回開催しております。なお、説明会に参加できない株主や投資家に対しては、当社のホームページにその決算説明会資料及び動画を掲載しております。

 

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