ラクーン(3031 東証マザーズ)
アパレル・雑貨に特化したB to B サイト「スーパーデリバリー」を運営
業種:卸売業
アナリスト:馬目俊一郎
◆ B to B サイト「スーパーデリバリー」で効率的な卸機能を提供
・同社はアパレル・雑貨に特化したB to B サイト「スーパーデリバリー」を運営する卸会社。会員制サイトのスーパーデリバリーは、メーカーなど売り手の「出展企業」と、買い手である「小売店」に「出会いの場」を提供するほか、代金決済や売掛債権の保証なども行う。
・事業セグメントは、コア事業であるスーパーデリバリーを運営する「EC 事業」と、新規に立ち上げた「売掛債権保証事業」。今後は、外部企業との連携でスーパーデリバリー会員向けに仕入以外のサービス提供を計画するなど、利便性向上で会員組織の拡大を目論む。
◆ 12 年4 月期は会員数の拡大で事業基盤に厚み
・2012 年4 月期決算は売上高が前期比13.0%増の91.0 億円、営業利益は同12.0%増の1.4 億円。会員小売店数の積み上げに加え、稼働会員数増と購入単価アップが増収に働いたほか、11 年4 月期買収の子会社も通年で寄与。経営指標の会員小売店数は前期末比3,493 店舗増の 32,905 店舗、出展企業数も同30 社増の997 社と事業基盤に厚み。
◆ 13 年4 月期のアナリスト予想は会社計画を上回る営業増益
・2013 年4 月期の会社計画は売上高が前期比9.9%増~13.2%増の 100.0 億円~103.0 億円、営業利益は同14.3%増~21.4%増の1.6 億円~1.7 億円を見込む。これに対しアナリストは、事業基盤強化を背景に営業利益が前期比35.7%増の1.9 億円を見込む。
◆中長期的な適正株価水準は111,000 円~134,000 円を想定
・現在の株価水準から同社のフェアバリューはPER10 倍~12 倍程度と推察。これをアナリストの2016 年4 月期予想EPS11,177.2 円に当てはめると、中長期的な適正株価水準は111,000 円~134,000 円が想定される。
・大局的に見た株価は、50,000 円~100,000 円の持合い相場と推察。現在の事業ポートフォリオでは、会員数の積み上げで堅調な売上高成長が見込まれるものの著しい収益性の改善が難しく、株価のブレークスルーにつながる利益成長は期待薄。したがって、現在の株価はアナリストの今期予想PER9.2 倍の水準にあることから、短期的な上値は限られる反面、中長期的にはEPS 成長とともに上記適正株価水準を意識した緩やかな上昇トレンドが予想される。