タケエイ(2151 東証マザーズ)
建設系廃棄物処理業大手。事業エリアや受入・再資源化品目の拡大に注力。
今期は震災復興事業が売上高を押し上げる見込み。積極的なM&A 戦略を継続。
業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作
四半期進ちょく/予定 通期財務状況 コンセンサス/目標株価 業種比較 業績トピックス
◆2012/3期は同社単体の採算好転等で営業利益が過去最高に
・前期業績は売上高17,456百万円(前期比14%増)、営業利益2,100百万円(同83%増)、当期純利益870百万円(同183%増)。売上高、営業利益は上場来最高数値となった。・
・最高益の主因は、不採算受注の抑止や原価削減・販促費抑制等による、同社単体やリサイクル・ピアの受注採算の改善。震災廃棄物処理事業は、正式契約・着工時期が年度後半~年度末になったため、前期10億円弱にとどまった。
◆2013/3期は震災復興事業が本格寄与し、連続最高益へ
・今期会社計画は売上高19,750百万円(前期比13%増)、営業利益 2,310百万円(同10%増)、純利益930百万円(同7%増)。厳しい受注環境の継続を想定し、前期比増収予想額の大半(約15億円)を震災廃棄物処理事業が占める計画。外注費の単価上昇を懸念している。
・担当アナリストの今期業績予想は、売上高201億円(同15%増)、営業利益24億円(同14%増)、純利益10億円(同15%増)。会社計画との相違点は、現時点で確定していないが、震災廃棄物処理の再受託案件が少なくとも1件期中に受注できると見込んだことである。
・12年3月に静岡市で金属屑・廃自動車リサイクル業を営んでいた民事再生中の金山商店とスポンサー契約を締結。今後グループ入りすれば、受入・再資源化商品の拡充や事業拠点拡大等の点でメリットがありそうだ。
◆成長性や震災復興事業への貢献等から市場平均より高評価が妥当
・同社の今期予想PER11.7倍(会社予想基準)は、貴金属リサイクル業者を上回るものの、廃棄物処理大手のダイセキ等よりも低く、実績PBR0.86倍は、同業他社に比べ低位にある。ROE7.1%は他社に見劣りせず、M&Aの推進等で達成した過去3年営業利益成長率27.5%は、同業者が伸び悩む中で評価に値する。
・積極的なM&A戦略による利益成長力の高さや、震災復興事業が当面業績の下支えになること等を考慮すれば、予想PERは東証1部市場平均の11倍台ではなく、14~15倍が妥当と判断。従って2~3年程度先に到達すべき適正株価は、担当アナリスト予想収益見通し(15/3期EPS184円)より、2,500~2,800円と考える。