アドウェイズ(2489 東証マザーズ)

2012/07/05

アフィリエイト広告大手でアプリ開発とアジア展開を積極化

業種:サービス業
アナリスト:馬目 俊一郎

四半期進ちょく/予定 通期財務状況 コンセンサス/目標株価 業種比較 業績トピックス

アフィリエイト広告大手でモバイル広告とアプリ開発に強み
・インターネットで拡大しているアフィリエイト広告の国内大手。国内の広告市場全体が伸び悩む中、同社の属するインターネット広告業界にはフォローの風が吹いている。B to C向けEC市場やソーシャルゲーム市場の拡大で広告需要が高まっているほか、スマートフォン普及などデバイスの多様化で新たな広告手法が開発されるなど、インターネット広告市場は中長期的に成長が見込まれる有望分野と考えられる。

・同社はグリー社向けにモバイル広告の一種であるリワード広告を独占供給するほか、2013年3月期からはディー・エヌ・エー社にも当該広告の独占供給を開始。また、中国子会社でのソーシャルゲーム開発強化で国内大手SNS向けにゲーム提供を加速させるほか、中国などアジア地域での広告拡大を目指すなど、広告事業と海外事業に経営資源を投入している。

2012年3月期は広告事業と中国子会社が収益を牽引
・2012年3月期決算は売上高が前期比13.0%増の179.7億円、営業利益は同53.5%増の13.2億円、当期純利益は同67.2%増の7.8億円となった。売上面では、フィーチャーフォンからスマートフォンへの切り替えに伴うモバイル広告の落ち込みを、スマートフォン広告とPCインターネット広告でオフセットしたほか、中国での広告並びにソーシャルゲーム開発が順調に拡大した。

◆2013年3月期は投資先行で一時的に営業減益の見通し
・同社は1)スマートフォン普及に伴うデバイス変化、2)ディー・エヌ・エー社向けリワード広告供給の業績寄与が不透明、3)アプリや海外並びに新規事業立ち上げに対する先行投資15.2億円の収益影響、などを理由に、2013年3月期会社計画の公表を先送りしている。これに対しアナリストの13年3月期予想は売上高が前期比17.6%増の211.3億円、営業利益は同52.3%減の6.3億円を見込む。

◆中長期的な適正株価水準は82,000円~11,700円を想定
・2013年3月期の営業減益は一時的なものと予想されるものの、短期的な株価動向は値動きに乏しい展開が想定される。一方、アナリストは先行投資負担が軽くなる14年3月期以降の営業増益を予想し、16年3月期にはEPS11,679.4円を見込むことから、同社の中長期的な適正株価水準は82,000円~11,700円のレンジが想定される。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。