ビリングシステム(3623 東証マザーズ)
新サービス寄与で増収増益続こう
業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作
四半期進ちょく/予定 通期財務状況 コンセンサス/目標株価 業種比較 業績トピックス
◆前期実績は予想上回る
・前2011年12月期は、FX取引金融業者向けに投資を行う顧客の資 金決済をサポートする採算の高いクイック入金サービスが、外国為 替取引に関するレバレッジ規制で取扱いが減少。これが全体の収益 性を押し下げたことから、営業増益率は増収率を下回る結果となっ た。
◆新サービススタート
・公共料金支払いアウトソーシング業務や資金管理口座を信託化、競 合先から顧客を取り込みなど、業容の拡大が進んでいる。
・主要株主ではソフィアホールデングスが7.08%を保有。保有目的は投資 目的による大量保有と思われる。なお、同社は2011年8月に買収防衛 策を導入した。トリガーレート15%とするもので、大量買付ルールを遵守 しない場合、新株予約権無償割当等による対抗措置を発動するもの。
◆今期予想を減額修正
・今2012年12月期予想業績は会社予想を減額修正した。受託ビジネス 売上高の会社予想を減額修正したため。税務上の繰越欠損金が解消さ れ、最終利益は大幅減益見通し。また、前期スタートの新規事業や商機 の拡大を踏まえ、8名以上(前2011年12月末30人)の人員増となる見 込み。
・第1四半期実績は増収減益だった。金融庁の規制で外国為替証拠金 取引のレバレッジ規制が強化され、採算の高いクイック入金サービス の低迷と売掛債権の回収懸念に伴う貸倒引当金繰入額の計上16百万 円が影響し、営業利益以下の収益が減益となった。
◆適正株価水準は118,800円〜138,600円を想定
・アナリストは前レポートの中期業績見通しを修正した。新規サービスのス タートや業容の拡大進捗を評価し売上高予想は前レポートより増額、他 方、従業員の増員見通しから収益性は低下となった。
・同社の事業モデルには上場会社の競合が存在せず、同業他社とのバリ ュエーション比較は出来ない。前回レポートと同様に同社の適正PERを 12~14倍と仮定すると、担当アナリストの2015年12月期予想EPS は 税負担正常で9,901円が見込まれ、適正株価水準は中期的に118,800円~138,600円のレンジが想定される。