イーブックイニシアティブジャパン (3658 東証一部)

2014/11/07

コミックの品揃えに強みを持つ電子書籍配信事業のパイオニア
15/1 期上期利益は、販売促進費の予算未消化で期初見通しを上回る

業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作

◆ 独立系の電子書籍配信専業大手
・イーブックイニシアティブジャパン(以下、同社)は、電子書籍配信事業 のパイオニアで、コミックの品揃えは業界最大規模を誇る。小説などのラ インアップを拡充して総合電子書籍No.1 を目指している。

◆ 15 年1 月期上期は販促費予算未消化で期初見通しを上回る
・15/1 期第2 四半期累計(以下、上期)連結決算は、前年同期比26.9%増 収、7.2%営業減益であった。同社の期初予想に対する達成率は、売上 高102.5%、営業利益307.2%であった。
・営業利益が当初見通しを上回ったのは、著作権利者等との利害調整が 遅れ、同社が想定していた値引き等の販売促進策が実施出来なかった ためである。

◆ 15 年1 月期業績予想を修正
・同社は上期実績とトキオ・ゲッツの連結子会社化を踏まえ、15/1 期につ いて売上高5,070 百万円、営業利益298 百万円を見込んでいる。
・証券リサーチセンターでは、上期実績並びにトキオ・ゲッツの連結子会 社化を考慮し、売上高5,400 百万円、営業利益300 百万円を予想する。

◆ 投資に際しての留意点
・米国で定額書籍読み放題のサービスが始まった。日本国内でも定額書 籍読み放題のサービスが普及する可能性がある。同社は既に定額書籍 読み放題に関するシステムは準備した模様で、期間限定やジャンル限 定等で、新規顧客開拓手法の一つとして考えている模様である。
・同社は、ストック・オプションとして新株予約権を発行する。15/1 期から 24/1 期に一度でも税前純利益が10 億円を超えた場合、権利行使が可 能となるが、全て行使された場合、最大で2.5%の希薄化が生じることに なる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。