ドリコム (3793 東証マザーズ)
中堅ソーシャルゲームプロバイダでスマートフォン向け広告事業を併営
他社IP利用のヒット作で業績回復に手応え、メディア事業に多角展開も模索
業種:情報・通信業
アナリスト:高坂 茂樹
◆ 事業内容
・ドリコム(以下、同社)は、スマートフォン等の携帯デバイスで楽しむソーシャルゲーム等のアプリケーションソフトの開発及び運営を主な事業としており、インターネット広告事業等を併営している。
・自社の強みとするマーケティング力とゲーム事業の経験に基づいて自社メディア運営に進出し、多角化による業績の安定化を図ろうとしている。
◆ 業績推移
・14/3期決算は、売上高6,989百万円(前期比17.7%減)、営業損失503百万円(前期は474百万円の利益)であった。スマートフォン対応のゲーム開発を進めるもヒット作品に恵まれず、09/3期以来の赤字決算となった。
・15/3期第1四半期決算は、前四半期にリリースしたネイティブゲームの新作の貢献や他社版権を利用した協業の新作ゲーム2作品のヒット等により、5四半期ぶりに営業黒字に転じた。
◆ 業績見通し
・15/3期第2四半期会計期間の業績について同社は、新作のリリースが無く、次回作への投資が先行すること等により、売上高17億円(連結決算へ移行、前四半期比14.2%減)、営業損益均衡と見込んでいる。
・15/3期第3四半期会計期間について同社は、新作ゲーム1作品のリリースを想定し、売上高20~23億円、営業利益0~3億円と見込んでいる。証券リサーチセンターは、14年にリリースされたネイティブゲーム3作が成果を収めたことを根拠に、同社の見通しは妥当と判断した。
◆ 投資に際しての留意点
・同社の業績は環境や技術の変化により短期的に激しく変動することがある。株価も業績の方向性や新作タイトルに関するニュース等に反応しボラティリティが大きい点に注意が必要であろう。