新田ゼラチン (4977 東証一部)

2014/08/08

国内トップのゼラチンメーカーで海外展開を加速
15 年3 月期は国内ゼラチンの値上げ実現がポイント

業種:化学
アナリスト:馬目 俊一郎

◆ 国内トップのゼラチンメーカーで海外展開を加速
・新田ゼラチン(以下、同社)は、加工食品や化粧品などに広く使われるゼ ラチンの世界第4 位メーカーである。生産量ベースの世界シェアは約5% に留まるものの、国内シェアは業界トップの約60%を誇っている。
・14/3 期にスタートした中期経営計画では、北米及び中国子会社の生産 能力増強とアジアを中心とした海外展開を梃子に成長を目論んでいる。

◆ 14 年3 月期は価格転嫁の遅れと品質トラブルで40.1%営業減益
・14/3 期決算は売上高が前期比14.0%増の328.1 億円、営業利益は同 40.1%減の9.5 億円であった。売上面では海外子会社の数量増と値上げ のほか円安効果が寄与した。利益面では国内ゼラチンが原料高の価格 転嫁に遅れたうえ、北米ケーシングの一時的な品質トラブルなどで大幅 減益となった。

◆ 15 年3 月期の会社計画は88.4%営業増益の見通し
・15/3 期について同社は、売上高が前期比11.2%増の365.0 億円、営業 利益は同88.4%増の18.0 億円を見込んでいる。国内ゼラチンの値上げ 実現で適正利益の確保に努めるほか、品質トラブルを解消した北米ケー シングの業績寄与を見込む。一方、当初予定されていたインド関連会社 の連結子会社化は16/3 期にずれ込む見通しである。

◆ 証券リサーチセンターは15 年3 月期の業績予想を減額修正
・証券リサーチセンターは、国内ゼラチンの値上げが遅れていることと、イ ンド関連会社の連結子会社化ずれ込みから前回レポートの業績予想を 見直し、15/3 期予想は売上高370.0 億円→360.0 億円(前期比9.7%増)、 営業利益26.0 億円→17.0 億円(同78.0%増)に減額修正する。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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