オイシックス(3182 東証マザーズ)
14 年3 月期は会員数拡大と単価向上により増収となるが営業利益はほぼ横ばい
成長への投資を優先する方針のもと、利益面では一旦踊り場を迎える見通し
業種:小売業
アナリスト:柴田郁夫
◆ 有機野菜等のネット販売により宅配するサービスを展開
・オイシックス(以下、同社)は、有機野菜や人工添加物を使用しない加 工食品等をネット販売により宅配するサービスを主力としている。
・生産者と消費者を結び付け、安全性や美味しさ等にこだわる高付加価 値商品を手軽に購入できる市場を創造したことで、高成長を実現してき た。また、新たなサービスや事業にも意欲的に取り組んでいる。
◆ 14 年3 月期決算は増収ながら営業利益は横ばい
・14/3 期決算は、売上高15,909 百万円(前期比9.1%増)、営業利益740 百万円(同1.0%増)と増収ながら営業利益はほぼ横ばいであった。
・会員数拡大と単価向上が増収に寄与したが、会員獲得の純増ペース の遅れにより、想定していた売上高には届かなかった。また、新サービ ス等による原価率の上昇や新規出店の初期費用等が営業利益率の低 下を招いた。
◆ 15 年3 月期も大幅な増収ながら営業利益は微増を見込む
・15/3 期について、同社は、売上高18,300 百万円(前期比15.0%増)、 営業利益750 百万円(同1.3%増)と大幅な増収ながら、営業利益は前 期比微増を予想している。成長への投資を優先する方針のもと、利益 面では一旦踊り場を迎える見通しとなっている。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、足元で会員数が増加 していることなどから、同社予想の達成は可能であると判断している。
◆ 中期業績予想
・当センターでは、前回レポート(13 年12 月発行)の中期業績予想を修 正するとともに、17/3 期の業績予想を新たに策定した。売上高予想の 変更はないが、利益面では先行投資的な費用負担が継続する見通し から減額修正した。17/3 期までの成長率として、売上高が年率13.1%、 営業利益が同15.8%を予想している。
・EC 事業における会員数の拡大と、受託事業及び店舗事業の伸長が 同社の中期的な成長を牽引するものと予想している。