ダブル・スコープ(6619 東証マザーズ)
リチウムイオン二次電池用部材のセパレータを韓国で製造し、世界で販売
14 年12 月期は日本企業を含む電池製造大手との取引開始が見込まれる
業種:電気機器
アナリスト:高坂茂樹
◆ 事業内容
・ダブル・スコープ(以下、同社)は、リチウムイオン二次電池(以下、LiB) の主要材料の一つであるセパレータの専業メーカーである。韓国で製造 したセパレータを、中国をはじめとする世界市場で販売している。
・後発ながら、独自製法と韓国政府の外資支援策により、同社のセパレー タの価格競争力は高い。品質面にも自信を持ち、民生用電子機器から 自動車まで幅広い用途で、LiB 製造大手への販促活動を進めている。
◆ 13 年12 月期実績
・13/12 期決算は売上高2,717 百万円(前期比16.9%増)、営業損失147 百万円(前期は392 百万円の利益)、経常利益119 百万円(前期比 70.0%減)であった。
・業績悪化の主因は、12/12 期下期から13/12 期上期にかけての販売不振 に伴う在庫調整で工場稼働率が低下し、売上原価率が悪化したことであ る。一方、為替差益等で営業外収支が好転し、経常利益は黒字を確保 した。
◆ 14 年12 月期予想
・14/12 期について同社は、LiB需要の伸長や顧客基盤の拡大による販売 数量の回復により前期比47.9%増収、営業利益の黒字転換を予想して いる。
・証券リサーチセンターでは同社による増収効果の想定は保守的過ぎると 判断した。中国での旧正月の影響がある第1 四半期は営業赤字となり、 新規取引先獲得初期の低採算を想定しても14/12 期営業利益は3 億円 に達すると予想した。
◆ 投資に際しての留意点
・同社の対TOPIX 相対株価は、13 年に二度、四半期決算説明会におけ るLiB 製造大手との交渉情報に接して急上昇した。今後も材料認定済 みの2 社や評価試験中の大手5 社との交渉状況に留意しておきたい。