アグロカネショウ(4955 東証二部)
中堅の農業専業メーカー、野菜や果実向けが多い
海外子会社ののれん代がなくなり、14 年12 月期は大幅営業増益へ
業種:化学業
アナリスト:松尾十作
◆ 中堅の農業薬品専業メーカー
・アグロカネショウ(以下、同社)は、果樹、野菜向け農薬の輸入及び製 造販売を行っている中堅農薬専業メーカーである。輸入品に独自のノウ ハウを加えた農薬と自社開発農薬で業容を拡大してきた。
・土壌消毒剤など競争力のある製品を持ち、営業担当者が直接農家を訪 問し、技術及び使用方法などの指導を行っている。
◆ 14 年12 月期は営業大幅増益予想
・13/12 期決算は、売上高13,351 百万円(前期比12.0%増)、営業利益 1,039 百万円(同10.8%減)、経常利益1,913 百万円(同63.1%増)であっ た。10.8%営業減益は、円安ユーロ高によりのれん代が膨らんだこと、 63.1%経常増益は、為替差益を計上したためである。
・14/12 期について同社は、売上高13,652 百万円(前期比2.3%増)、営業 利益1,782 百万円(同71.4%増)、経常利益1,825 百万円(同4.6%減)を 見込んでいる。営業大幅増益は、主に10 年間続いた海外子会社ののれ ん代(13/12 期931 百万円)がなくなるためである。経常減益は、為替差 益を想定していないためである。
・証券リサーチセンターの予想は、従来予想を上方修正し、同社予想と同 じ水準を見込んでいる。
◆ 投資に際しての留意点
・東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で操業停止となった同社 の福島工場にかかる損害に関し東京電力に補償を求め、交渉を重ねて いる。13/12 期に受取補償金569 百万円を計上したが、同社の想定する 賠償額の1/3 程度であるため、今後も交渉を継続する。