エー・ピーカンパニー(3175 東証一部)

2013/10/18

業種:小売業
アナリスト:柴田郁夫

1.会社概要
・エー・ピーカンパニー(以下、同社)は、地鶏をメインとした居酒屋「塚田 農場」などを首都圏中心に展開している。
・自社農場での地鶏生産を含め、生産者との直接提携関係による「生販 直結モデル」を強みとして、高い成長を実現してきた。
・13 年9 月25 日、東京証券取引所マザーズから市場第一部に市場変更 となった。

2.財務面の分析
・主力食材の調達力と店舗数の拡大で業績を牽引するというのが同社の 成長モデルである。13/3 期も、生産体制の増強と店舗数の順調な拡大 に加えて、既存店売上高の伸びにより大幅な増収増益となった。
・14/3 期についても、同社は38.6%増収、31.8%営業増益と高い成長率を 見込んでいるが、証券リサーチセンター(以下、当センター)では、同社 の過去の実績や第1 四半期決算の状況等を踏まえて、同社予想の達成 は可能と判断している。

3.非財務面の分析
・同社の価値創造の源泉は、生販直結型の業態モデルによる中間流通コ ストの削減に留まらず、生産者と一体となって食材の付加価値を高める ブランディングや、高いモチベーションに支えられたスタッフによる接客 サービス等によって顧客の支持を得てきたところにある。

4.経営戦略
・同社戦略のポイントは、外食から生産や流通へ事業領域を拡張すること により、他社との差別化を図ってきたことである。
・地域産業の活性化という社会的使命感のもと、生産者や地方自治体と 連携して、ブランド力を高めたことが奏功したと考えられる。
・今後の戦略課題は、現在の出店ペースが一巡した後、販売形態の多様 化をどのように図っていくかにある。

5.アナリストの評価
・当センターでは、16/3 期までの年平均成長率は、売上高36.4%、営業利 益36.1%と予想している。
・未開拓である地方都市への出店を含め、中期的に店舗拡大の余地は十 分にあると判断している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。